「ミスター・ゼロ」の日本人左腕に喝采が止まない。

　現地４月13日、シカゴ・カブスの今永昇太が敵地でのシアトル・マリナーズ戦に今季３度目の先発登板。２回にメジャー初失点を喫し連続イニング無失点は「11」でストップしたが、５回1/3を投げて５安打２四球４奪三振１失点（自責点０）で降板。「２番・右翼」でスタメン出場した鈴木誠也の３号ソロ弾を含め、カブスが４対１で勝利を収めて今永に今季２勝目が付いた。

　今永は初回を三者凡退で終え、メジャーデビューから11イニング連続無失点となり、球団記録に並んだ。１点を先制してもらった直後の２回は先頭打者を遊ゴロで打ち取ったかに見えたが、送球をファーストが後逸。不運な形でランナーを出すと中安打を浴び無死一、二塁のピンチを招く。このあと空振り三振、左飛に仕留めて２アウトまで漕ぎつけたが、８番ルイス・ウリアスに左適時二塁打を打たれ、これがメジャー初失点。なおも２死二、三塁のピンチだったが、最後は９番セビー・ザバラを93.6マイル（約150.6キロ）のい速球で空振り三振に仕留めて、逆転は許さなかった。

　すると、直後の３回表に頼れる日本人スラッガーが左腕を援護する。２死走者なしで鈴木は初球のスライダーを鋭くスイング。左翼スタンドに放り込む第３号ソロホームランでカブスが再び１点をリードした。

　１点は失ったが、失策絡みのため自責点はいまだ「ゼロ」の今永は快調なピッチングを続ける。３回は１番からの好打順を９球で三者凡退。４回は２安打を浴び１死一、二塁の場面では、ギアを一段階上げて７番ディラン・ムーアを94.5マイル（約152キロ）の直球で左飛、２回に適時打を打たれたウリアスには３球すべて150キロ超のストレートで中飛に抑え、得点を与えない。

　５回もゼロで抑えて勝利投手の権利を得ると、今永は６イニング目も続投。ところが疲労の色が見え、２者連続の四球で無死一、二塁を招く。続く６番のミッチ・ガーバーに高めの速球を狙われ、三塁線に強烈に弾き返される。しかしこれを、クリストファー・モレルがダイビングキャッチして１アウト。あわやタイムリーの当たりを味方のファインプレーで救われた今永は90球に達し、ここで降板。２番手マーク・ライターJr.が後続を抑え、カブスは最大のピンチを脱した。
  　いまだ「ゼロ」が続く今永に米メディアは夢中だ。MLB公式サイト『MLB.com』は今永の降板直後、SNSに「ショウタ・イマナガが好調なスタートだ！」と即投稿。同じくMLB専門チャンネル『MLB Network』のカブス担当であるテイラー・マクレガー氏は「今夜のカブス、ショウタ・イマナガの成績」と記し、この試合の投球内容を羅列。特に「自責点ゼロ」の部分を主張していた。

　今永の快投には地元も熱狂している。シカゴのスポーツラジオ局『WSCR-AM 670 The Score Chicago』のクリス・エマ氏は、先発３試合トータルでの成績を記述。「15回1/3、16奪三振、防御率0.00、自責点０」と、日本人左腕の無双っぷりに驚きを隠せない。

　カブスは２対１で迎えた７回表にマイケル・ブッシュが４号ソロ、８回にミゲル・アマヤが１号アーチを放ち、リードを３点に広げてダメ押し。一発攻勢で連敗を防いだ。

構成●THE DIGEST編集部

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