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MLB

月間最優秀新人の今永は当然「よくできました」。超大型契約で加入の山本は...【侍メジャーリーガー開幕1ヵ月通信簿:後編】<SLUGGER>

藤原彬

2024.05.05

山本、今永、吉田の3人はそれぞれ対照的な開幕1ヵ月を過ごした。(C)Getty Images

山本、今永、吉田の3人はそれぞれ対照的な開幕1ヵ月を過ごした。(C)Getty Images

開幕から1ヵ月が経過した2024年のメジャーリーグ。日本から海を渡って世界最高の舞台で戦う日本人選手たちの1ヵ月間を採点してみよう(成績はいずれも4月30日時点)。
※評価は「よくできました」「まずまずです」「可もなく不可もなく」「がんばりましょう」の4段階】

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■山本由伸(ドジャース)
【通信簿:まずまずです】

 韓国シリーズでのメジャーデビュー登板でまさかの1イニング5失点登板を喫したが、そこからは5試合連続自責点3以下と持ち直した。アメリカでもにわかに脚光を浴びている“ヨーヨー・カーブ”の変化量はメジャートップクラスで、スプリッターも被打率.098と威力を発揮している。投手史上最長&最高額(12年総額3億2500万ドル)の契約で入団したこともあって、初登板直後には「大金を盗んだ」など辛辣な声が飛んだが、渡米1年目の投手としては順調なスタートと言っていいだろう。

■今永昇太(カブス)
【通信簿:よくできました】

 4月は5先発で無傷の4勝、防御率0.98と予想を遥かに上回る好投を見せた。そのうち無四球が3試合、最大でも2つと持ち前の制球力が冴え、高めに投げ込む4シームも絶大な効果を発揮。開幕前に発表された成績予測で山本を上回る好成績が弾き出す評価があったのも納得のパフォーマンスだ。今後は相手の研究も進むはずだが、現在証明中の適応能力の高さで対応し、大崩れせずに先発ローテーションをまっとうできそうな先鞭はつけた。

■松井裕樹(パドレス)
【通信簿:まずまずです】

 韓国シリーズ2戦2登板に始まり、4月終了までに15登板とフル回転し、防御率2.45としっかり役目を果たしている。最も多投するスプリッターは空振り/スウィング率41.0%、スライダーは57.9%
と2つの変化球が絶大な威力を発揮。その一方でメジャーではかなり遅い部類の4シームはかなり痛打され、奪三振率5.52・与四球率3.68ともMLB平均を大きく下回っている点はかなり懸念材料で、5月以降の投球で真価が問われそうだ。
■吉田正尚(レッドソックス)
【通信簿:可もなく不可もなく】

 メジャー1年目の昨季は後半戦に急降下。長打増を目指して臨んだ今季だが、フライ率こそ上昇したもののハードヒットが思うように出ず、4月は打率.275、2本塁打、OPS.736。選球眼とコンタクト能力の高さは維持しているが、とにかく打撃での貢献が求められるDHとしては合格点とは言い難い数字だ。4月下旬からは5試合続けて先発を外され、今季初の4安打を放った翌日に左手親指の付け根を痛めて故障者リスト入りと、運にも見放されている。

■千賀滉大(メッツ)
【通信簿:可もなく不可もなく】

 防御率リーグ2位を記録した昨季の活躍から開幕投手最右翼と目されていたが、右肩を痛めて故障者リスト入り。現在は打者相手のピッチングをこなし、実戦形式の登板でも90マイル台中盤を計測するなど経過は順調のようだ。とはいえメジャーのマウンド復帰に「まだ時間はかかる」ようで、マイナーでの登板も重ねながら感覚を取り戻す。


■藤浪晋太郎(メッツ)
【通信簿:がんばりましょう】

 1年335万ドルで新天地へ移ったが、オープン戦で結果を出せずに開幕はマイナースタート。3Aでも乱調が続き、4月終了時点での8登板で防御率15.88と苦しんでいる。連続四球が大量失点につながった試合中には、マイクを切り忘れた実況が「勘弁してくれ、いい加減に耐えられない!」と絶叫するシーンもあった。奮闘しているメッツのブルペンで居場所を作るのは難しそうで、日本球界復帰説まで流され始めている。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。X(旧ツイッター)IDは@Struggler_AKIRA。

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