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プロ野球

高校3年の秋から始まった戸郷翔征のシンデレラストーリー。洗礼を浴びた日本シリーズを経て真価が問われる2年目へ

氏原英明

2020.01.06

ドラフト6位で入団した戸郷は、プロ1年目で初勝利も挙げた。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

ドラフト6位で入団した戸郷は、プロ1年目で初勝利も挙げた。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

 まさに、シンデレラボーイだ。
 
 その魔法が始まったのは、戸郷翔征がプロ入りを目指した2018年9月のことだった。場所は宮崎。U-18代表がアジア選手権を戦うために、宮崎に集結していた。その壮行試合の相手として宮崎県高校選抜との試合が組まれ、当時は無名だった戸郷が登板したのである。

 藤原恭太(ロッテ)、根尾昂(中日)、小園海斗(広島)ら、その年のドラフト1位で指名されることになる3人を中心に構成されたU-18代表に対し、1回途中から登板を果たした戸郷は圧巻のピッチングを見せた。5回3分の1を投げて5安打2失点9奪三振。藤原、根尾からも三振を奪う快投劇だった。

 最速148キロを投げるという程度の評判だった戸郷は、この快投でプロ入りの夢を勝ち取ったと言っても過言ではない。
 
 そして、戸郷は高卒1年目にして一軍デビューを飾った。イースタン・リーグで11試合に投げて4勝1敗、防御率3.00の成績を残すと、リーグ優勝を懸けた9月21日のDeNA戦で一軍初昇格初先発。勝利投手の権利は得られなかったのものの、4.2回2失点と好投して優勝に貢献した。さらに、27日の同じくDeNA戦ではリリーフで4回無失点7奪三振の好投でプロ初勝利を手にした。

 しかし、その直後にプロの洗礼も浴びた。ソフトバンクとの日本シリーズで登板した戸郷は、ここで貴重な体験を得ることになった。

 出番はソフトバンクが2連勝で迎えた第3戦、2−2で迎えた4回表からだった。

 1回裏に先制した巨人は、一度は逆転されながら同点に追いついていた。原辰徳監督からの戸郷へのミッションは、試合を作り直すということだった。

 先頭の松田宣浩を空振り三振。これで勢いに乗るかと思われたが、ここから洗礼を浴びる。続く、7番の内川聖一に左翼前安打を許すと、続く甲斐拓也を四球、自らのバント処理ミスも重なってピンチを招き、犠飛、内野安打押し出し四球で2失点。さらに、4番・デスパイネにタイムリーを浴びて計4失点でマウンドを下りたのだった。
 
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