シーズンの約3分の1を消化し、明日から交流戦を迎えるプロ野球。ここまでの12球団の戦いぶりをランク付けした「パワーランキング」を紹介しよう。今回は12~7位だ。
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【12位】西武
15勝30敗0分│勝率.333│得失点差-49
5月にして早々と自力優勝の目がなくなり、松井稼頭央監督が休養に追い込まれるほどの大苦戦を強いられている。最大の要因は昨季以上の貧打にあえぐ打線。新助っ人のアギラー、コルデロが揃って不発、若手も伸び悩んで打率(.214)、得点(118)ともリーグワーストに落ち込んでいる。投手陣ではドラフト1位ルーキーの武内夏暉がリーグ1位の防御率1.43と活躍しているが、ブルペンが打ち込まれて貧打線をカバーできていない。球団歴代ワーストの84敗を優に超えるペースで負けがかさんでいるが、渡辺久信監督代行の下で意地を見せられるか。
【11位】楽天
18勝26敗1分│勝率.409│得失点差-56
新たにクローザーに就任した則本昂大が開幕から5月下旬まで無失点投球を続けたが、先発投手陣のやり繰りに苦しみ、チーム防御率は12球団唯一の4点台。5月21~22日のソフトバンク2連戦は計33点を失って2試合連続完封負けの屈辱を味わい、得失点差-56は12球団ワーストと、チーム状況はある意味では最下位の西武よりも悪い。野手陣も主砲の浅村栄斗が不振に苦しみ、45試合でわずか14本塁打とパワー不足が深刻。今江敏晃新監督にとっては苦しい戦いが続いている。
【10位】ヤクルト
18勝26敗2分│勝率.409│得失点差4
打線の中軸を担う村上宗隆とオスナ、サンタナが打撃タイトル争いに参戦し、32本塁打と161得点はいずれもリーグトップ。投手陣はビジターで防御率2.63を記録し、球場特性も加味した指標も実力は平均以上と示している。しかし、5月18日からの8試合で1勝7敗と負けが込み、セ・リーグ最下位に転落してしまった。得失点差は4で本来なら勝ち越していてもおかしくないが、1点差試合で3勝13敗と接戦でことごとく星を落としてしまっているのが痛い。昨季33セーブを挙げた田口麗斗の戦列復帰が追い風になるか。 【9位】中日
20勝22敗5分│勝率.476│得失点差-22
シーズン序盤は好調で、8年ぶりの首位にも立ったが、そこから失速して気づけば借金生活。ただ、収穫は少なくない。打線は細川成也が打点王争いでトップに立ち、2年目の村松開人が“隠れ首位打者”になるなど、昨季までの極端な貧打からは脱却しつつある。看板のはずの投手陣が防御率リーグ4位といまひとつだが、一軍合流後に好投を続ける高橋宏斗など楽しみな材料もある。混戦模様のセ・リーグで上位進出の目もまだあり、今後の戦いで「今年は違う」(立浪和義監督)ことを証明できるか。
【8位】オリックス
19勝25敗2分│勝率.432│得失点差-4
リーグ4連覇を目指して臨んだシーズンだが、ここまで予想外の不振に苦しんでいる。山本由伸(ドジャース)、山崎福也(日本ハム)が去った先発投手陣は、山下舜平大の故障もあって防御率リーグ4位。ブルペンも、宇田川優希や山﨑颯一郎が出遅れ、平野佳寿も精彩を欠く。打線も新加入の西川龍馬がパ・リーグのパワーピッチングに苦しみ、首位打者の頓宮裕真も不振で登録抹消。エースの宮城大弥も左胸筋の故障で戦列を離れ、中嶋聡監督が「このメンツでどうやってやるんや」と嘆くのも無理はない。首位ソフトバンクとはすでに11ゲームも離されているが、ここからどう巻き返すか。
【7位】DeNA
21勝24敗1分│勝率.467│得失点差-22
投手陣では東克樹と大貫晋一が先発二本柱を形成しているが、今永昇太(カブス)やバウアー(メキシコシティ)の抜けた穴は大きく、防御率3.32はリーグワースト。24日からの広島3連戦では、いずれも接戦を落として3連敗を喫した。一方、野手陣は30盗塁がリーグ最多。ミスも散見されるが、掲げていた「走塁改革」が一定の成果を出している。OPS.646はリーグ2位で、オースティンの復帰や筒香嘉智の加入でさらに上向きそうな勢い。交流戦初優勝を果たした昨季の再現を狙いたい。
文●藤原彬
著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。X(旧ツイッター)IDは@Struggler_AKIRA。
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【12位】西武
15勝30敗0分│勝率.333│得失点差-49
5月にして早々と自力優勝の目がなくなり、松井稼頭央監督が休養に追い込まれるほどの大苦戦を強いられている。最大の要因は昨季以上の貧打にあえぐ打線。新助っ人のアギラー、コルデロが揃って不発、若手も伸び悩んで打率(.214)、得点(118)ともリーグワーストに落ち込んでいる。投手陣ではドラフト1位ルーキーの武内夏暉がリーグ1位の防御率1.43と活躍しているが、ブルペンが打ち込まれて貧打線をカバーできていない。球団歴代ワーストの84敗を優に超えるペースで負けがかさんでいるが、渡辺久信監督代行の下で意地を見せられるか。
【11位】楽天
18勝26敗1分│勝率.409│得失点差-56
新たにクローザーに就任した則本昂大が開幕から5月下旬まで無失点投球を続けたが、先発投手陣のやり繰りに苦しみ、チーム防御率は12球団唯一の4点台。5月21~22日のソフトバンク2連戦は計33点を失って2試合連続完封負けの屈辱を味わい、得失点差-56は12球団ワーストと、チーム状況はある意味では最下位の西武よりも悪い。野手陣も主砲の浅村栄斗が不振に苦しみ、45試合でわずか14本塁打とパワー不足が深刻。今江敏晃新監督にとっては苦しい戦いが続いている。
【10位】ヤクルト
18勝26敗2分│勝率.409│得失点差4
打線の中軸を担う村上宗隆とオスナ、サンタナが打撃タイトル争いに参戦し、32本塁打と161得点はいずれもリーグトップ。投手陣はビジターで防御率2.63を記録し、球場特性も加味した指標も実力は平均以上と示している。しかし、5月18日からの8試合で1勝7敗と負けが込み、セ・リーグ最下位に転落してしまった。得失点差は4で本来なら勝ち越していてもおかしくないが、1点差試合で3勝13敗と接戦でことごとく星を落としてしまっているのが痛い。昨季33セーブを挙げた田口麗斗の戦列復帰が追い風になるか。 【9位】中日
20勝22敗5分│勝率.476│得失点差-22
シーズン序盤は好調で、8年ぶりの首位にも立ったが、そこから失速して気づけば借金生活。ただ、収穫は少なくない。打線は細川成也が打点王争いでトップに立ち、2年目の村松開人が“隠れ首位打者”になるなど、昨季までの極端な貧打からは脱却しつつある。看板のはずの投手陣が防御率リーグ4位といまひとつだが、一軍合流後に好投を続ける高橋宏斗など楽しみな材料もある。混戦模様のセ・リーグで上位進出の目もまだあり、今後の戦いで「今年は違う」(立浪和義監督)ことを証明できるか。
【8位】オリックス
19勝25敗2分│勝率.432│得失点差-4
リーグ4連覇を目指して臨んだシーズンだが、ここまで予想外の不振に苦しんでいる。山本由伸(ドジャース)、山崎福也(日本ハム)が去った先発投手陣は、山下舜平大の故障もあって防御率リーグ4位。ブルペンも、宇田川優希や山﨑颯一郎が出遅れ、平野佳寿も精彩を欠く。打線も新加入の西川龍馬がパ・リーグのパワーピッチングに苦しみ、首位打者の頓宮裕真も不振で登録抹消。エースの宮城大弥も左胸筋の故障で戦列を離れ、中嶋聡監督が「このメンツでどうやってやるんや」と嘆くのも無理はない。首位ソフトバンクとはすでに11ゲームも離されているが、ここからどう巻き返すか。
【7位】DeNA
21勝24敗1分│勝率.467│得失点差-22
投手陣では東克樹と大貫晋一が先発二本柱を形成しているが、今永昇太(カブス)やバウアー(メキシコシティ)の抜けた穴は大きく、防御率3.32はリーグワースト。24日からの広島3連戦では、いずれも接戦を落として3連敗を喫した。一方、野手陣は30盗塁がリーグ最多。ミスも散見されるが、掲げていた「走塁改革」が一定の成果を出している。OPS.646はリーグ2位で、オースティンの復帰や筒香嘉智の加入でさらに上向きそうな勢い。交流戦初優勝を果たした昨季の再現を狙いたい。
文●藤原彬
著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。X(旧ツイッター)IDは@Struggler_AKIRA。
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