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大谷翔平に”故意死球”を予告した韓国の元セーブ王が『事実上の戦力外』。屈辱的扱いに母国紙悲嘆「MLB挑戦を断念する危機」

THE DIGEST編集部

2024.05.31

マーリンズからDFAを宣告された韓国のコ・ウソク。(C) Getty Images

 韓国の元セーブ王が窮地に立たされている。

 現地5月30日、マイアミ・マーリンズは韓国人右腕のコ・ウソクをDFA(メジャー40人枠から外す措置)にしたことを発表。テキサス・レンジャーズを戦力外になったショーン・アンダーソン投手の獲得に伴う措置のため、今後は3Aに残るか、他球団への移籍を模索することになるが、移籍は難航を極めることになりそうだ。

 2022年に韓国プロ野球(KBO)のLGツインズで42セーブを挙げてタイトルを獲得するなど、韓国通算139セーブを誇るコ・ウソクは、翌年春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では韓国代表としてプレー。侍ジャパンの大谷翔平(当時ロサンゼルス・エンジェルス)に対して、故意死球を予告する発言をして物議を醸した。

 同投手は昨年オフにポスティングシステムを利用してサンディエゴ・パドレスに入団。地元・韓国で開催されたロサンゼルス・ドジャースとの開幕シリーズにはダルビッシュ有、松井裕樹とともに帯同。凱旋登板が期待されたが、3月20日に同シリーズの26人ロースターから外れ、傘下マイナーに降格。母国屈指の救援投手であり、セーブ王でもあったコ・ウソクの屈辱的な扱いに当時の韓国メディア『Mania Times』は理解しきれず、パドレスの判断を疑問視。「セーブ王だった男のプライドは酷く傷ついた」と論じたほどだった。

 その後、メジャーに昇格することなく5月上旬にはルイス・アラエス(内野手)とのトレードで、マーリンズに移籍。マイナーでは17試合に登板して防御率3.80だった。
 
 コ・ウソクの"事実上の戦力外"に、母国メディアは衝撃を受けている。韓国の日刊紙『朝鮮日報』は「衝撃の『放出待機』…MLB挑戦は、このまま終わるのか」と銘打ったタイトルで、「KBOでトップクラスのクローザーとして活躍し、米MLBに挑戦していたマイアミ・マーリンズのコ・ウソクがメジャーへの挑戦を断念する危機に陥った」と嘆きながら伝えている。

 記事内では「サンディエゴからマイアミにトレードされてから、1か月も経たないうちに放出待機措置を受けた。事実上、マイアミはコ・ウソクをメジャーリーグでプレーさせる意思がないため、チームから追い出すか、マイナーリーグに身分を変えるという意思を明らかにしたのだ」と言及。元セーブ王に、またも屈辱的な扱いをしたと批判的だ。

 他にも、球団が彼をメジャーリーグのレベルでないと判断した要因として、同紙は球速の遅さを独自にピックアップ。「マーリンズに移籍後、3Aで2試合連続無失点を記録していたコ・ウソクだが、彼の直球の最速は95.7マイル(約154キロ)、平均球速は93.3マイル(約150キロ)で、チームは期待以下という判断を下した」と解釈している。「この契約を引き継ぐチームを見つけるのが、容易ではないという見通しが出ている」とも記し、移籍先は困難との見解を示している。

 KBO屈指の守護神は、このまま米国から姿を消してしまうのだろうか…。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】3Aで奮闘も…マーリンズからDFAとなったコ・ウソク
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