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MLB

20年ドラフト全体1位指名の大砲トーケルソンがマイナー降格。「ボンズを超え、ホーナーに迫った男」が迎えた正念場<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2024.06.03

本格ブレイクが期待されていたトーケルソンだったが、極度の打撃不振でマイナー降格となった。(C)Getty Images

本格ブレイクが期待されていたトーケルソンだったが、極度の打撃不振でマイナー降格となった。(C)Getty Images

 6月1日、2020年ドラフト全体1位指名選手でもあるスペンサー・トーケルソン(タイガース)がマイナー降格の見込みであることが明らかになった。

【動画】トーケルソン、菊池雄星からレフトへ豪快な一発を放つ!

 メジャー3年目のトーケルソンはここまで54試合に出場して打率.201、4本塁打、18打点、OPS.597の大不振。特にここ4試合は16打数0安打9三振と苦しんでいた。

 トーケルソンは名門アリゾナ州立大に入学した2018年、いきなり25本塁打を放ってあのバリー・ボンズが持っていた1年生の学校記録を更新して話題を集めた。2年、3年時もホームランを連発し、通算54本。コロナ禍がなければ、ボブ・ホーナー(元ヤクルト)の本塁打記録(58本)を間違いなく塗り替えていたはずだった。

 迎えた20年のドラフトでは大方の予想通りタイガースから全体1位で指名され、史上最高額(当時)の契約金841万6300ドルで入団した。1年目からマイナー3階級で30本塁打を放ち、22年4月にメジャーデビューを果たしたが、そこから苦難の道が始まる。

 新人王候補として期待する声もあった1年目は、110試合でわずか8本塁打、打率.203。途中マイナー落ちも経験するなど、いきなりメジャーの洗礼を浴びる。2年目も前半戦はいまひとつだったが、8月以降だけで16本塁打を量産。ようやく大器の片鱗を見せ始め、今季こそ本格ブレイクを果たすはずとの声もあった。
 ところが、開幕から37試合本塁打なしとまさかの低空飛行。5月12日にようやく第1号を放ったが、その後も波に乗ることができないまま今回の3A降格に至った。

 期待が大きかった分、球団やファンの失望もまた大きい。バットスピードは速く、選球眼も悪くはないのだが、いかんせん打撃の確実性に乏しく、打率は常に2割台前半。守備や走塁での貢献も期待できず、現状ではたまにしか出ない一発だけが取り柄という選手になってしまっている。

 8月で25歳とまだ若く、今後巻き返す可能性も残っている。とはいえ、すでにメジャーで1300打席以上に立っており、そういつまでも悠長に待ってもらえないのも事実。このままでは、ドラフト史上に残る“失敗作”となってしまう恐れもなくもない。

「ボンズを超え、ホーナーに迫った男」はここから巻き返すことができるのか。再建途中のタイガースの命運も、トーケルソンの今後の奮起にかかっているといっても過言ではない。

構成●SLUGGER編集部

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