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今季MLB最長飛距離弾を含む月間12本塁打に球団新記録の10試合連続打点...「6月男」の面目躍如だった大谷の大爆発<SLUGGER>

藤原彬

2024.07.02

今季も得意の6月に大爆発した大谷。三冠王も視野に入ってきた。(C)Getty Images

今季も得意の6月に大爆発した大谷。三冠王も視野に入ってきた。(C)Getty Images

 まさに“ミスター・ジューン”の面目躍如と言うべき打棒だった。大谷翔平(ドジャース)が6月に放った12本塁打はナショナル・リーグ最多で、同月の球団記録では歴代3位に並んだ(最多は1985年にペドロ・ゲレーロが記録した15本)。6月の通算55本塁打は月別本数ではダントツ(次いで多い5月でも34本)。最後まで本塁打王を争った2021年(13本)、タイトルを手にした昨季(15本)に続き、自身3度目の6月月間MVP受賞が有力視されている。

【動画】ドジャースの球団記録を更新!大谷翔平の10試合連続打点をプレーバック

 最近の爆発を考えれば遠い過去の話にも思えるが、今年の6月は15日までは打率.216、3本塁打と低調だった。ところが、そこから一気にエンジンがかかった。16日のロイヤルズ戦で今季2度目の1試合2ホーマーを記録。翌日から故障離脱したムーキー・ベッツに代わってリードオフを任されると、18日のロッキーズ戦では今季のメジャー最長飛距離476フィート(約145メートル)の超特大弾で20号に到達し、リーグトップのマーセル・オズーナ(ブレーブス)に並んだ。

 その後も勢いは止まらず、20日の同カードからは3試合連続アーチを放ち、本人も「最近は打つべくして打っているなと思うので、感覚的には4月、5月より全然いい」と手応えを語っていた。その言葉通り、6月の平均打球初速97.7マイルは渡米後の月間最速値。シーズン通算26本塁打は5本差の単独1位と、リーグをまたいでの2年連続キングへ向けて大きく弾みをつける1ヵ月だった。

 6月の大谷は、速球も変化球も関係なく打ち砕いて本塁打の数を伸ばした。特に印象的だったのは、23年ドラフト全体1位指名のポール・スキーンズ(パイレーツ)から放った5日の一撃だ。初対戦ではいずれも速球で3球三振を喫していたが、次の打席では怪物ルーキーが投じた高めへの100マイル超の速球を力負けせずに弾き返した。かと思えば、25日のホワイトソックス戦では、外角へ投じられた緩いカーブを上手く合わせてスタンドへ運ぶ技ありの一打も披露している。
 今季の大谷は速球系、曲がる系、オフスピード系と3つの球種区分でいずれも打率3割以上を記録するなど打者としての完成度をさらに高めている。12本塁打のうち9本を1点差以内の僅差で放った勝負強さも見逃せない。16日~26日にかけては球団新記録の10試合連続打点を樹立して月間リーグ最多の24打点も稼ぎ、三冠王獲得も現実味を帯び始めた。21年も昨季も、7月以降は本塁打量産ペースで失速したが、投手を兼任した当時と打者一本で勝負している今季では前提条件からして違う。

 5日に30歳の誕生日を迎える7月は、第1週にナ・リーグ中地区首位のブルワーズ、2週目には30球団最高勝率を記録しているフィリーズとの3連戦が組まれている。いずれも強力投手陣を擁するだけに、大谷がいかに打ち崩すか注目だ。好調の6月は122打席で20四球、それまでなかった敬遠が4度と勝負を避けられる場面も増え始めた。相手チームの警戒も高まる中、好調を継続できるのか。7月も大谷から目が離せない。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。X(旧ツイッター)IDは@Struggler_AKIRA。


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