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妻がパリ五輪女子サッカーで金メダル獲得直後に夫はメジャー通算1000安打達成!スワンソン夫妻は米スポーツ界屈指のパワーカップル<SLUGGER>

藤原彬

2024.08.21

マロリーは五輪決勝でゴールを決めて金メダルを獲得。夫ダンズビーもゴールドグラブ受賞の一流選手だ。(C)Getty Images

マロリーは五輪決勝でゴールを決めて金メダルを獲得。夫ダンズビーもゴールドグラブ受賞の一流選手だ。(C)Getty Images

 今夏に開催されたパリ五輪女子サッカー競技の行方を、熱心に追うメジャーリーガーがいた。カブスの遊撃手で、チームリーダー的な存在でもあるダンズビー・スワンソンだ。

【動画】米国女子サッカー代表マロリー・ピュー・スワンソンのキャリアハイライト!

 妻マロリーがアメリカ代表のエースフォワードとして快進撃を演じていたのだから、「この2週間で何度も泣かされた」と語るのも無理はない。8月6日の準決勝(ドイツ戦)では延長に妻が決勝ゴールをアシスト。その時、スワンソンは拳を突き上げながら叫び声をあげ、飼い犬が2階に逃げるほど喜んだと言う。4日後の決勝(ブラジル戦)、マロリーは57分に大会優勝を決めるゴールを決め、チームの3大会ぶり金メダル奪還に成功した。スワンソンは「最も愛する人が自分の好きなことに取り組み、夢を追いかけている」姿を見届け、SNSに「永遠に君を愛している」と祝福の言葉を投稿している。

 今大会、マロリーはチームトップの4ゴールと2アシストを記録するなど華々しい活躍を見せたが、実はつい1年前は「この世で最も暗い日々」を送っていた。4月の親善試合で左膝蓋腱を断裂する大怪我を負い、7月の女子ワールドカップ出場を辞退。3回も手術するなど厳しいリハビリに臨む妻を励ますため、スワンソンはアメリカ代表の「9番」のユニフォームを着用して球場入りする日もあった。

 大会中も現地観戦を考えたが、妻からはチームを離脱しないように釘を刺されたようだ。オリンピック決勝の歓喜から約9時間後、スワンソンは8月10日のホワイトソックス戦でメジャー通算1000安打目のヒットを放ち、チームの勝利に貢献した。
 スワンソンは15年ドラフト全体1位でダイヤモンドバックスへ入団し、同年オフにブレーブスへ移籍。新天地でチームメイトになったジェイス・ピーターソンの妻の妹がマロリーだった。

 周囲の高い期待もあり、プロ入り直後から不安障害に悩まされていたスワンソンだが、徐々に成績を向上させ、21年にはワールドシリーズ制覇を果たす。22年オフにはカブスへFA移籍。愛する妻が同じシカゴを本拠地にするレッドスターズでプレーしていたことも決断を後押しした。

 今回のマロリーの活躍により、スワンソンはオリンピック金メダリストの妻を持つ2人目のメジャーリーガーになっている。1組目のカップルは、スワンソンも憧れたノマー・ガルシアパーラ(レッドソックスなどで人気を集めた遊撃手)と妻ミア・ハム(元女子サッカー界のレジェンド選手)だ。今年、スワンソンは30歳を迎えたが、4年後のロサンゼルス五輪出場もあり得ない話ではない。本国で開催される祭典に揃って出場となれば、さらに注目を集めそうだ。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。X(旧ツイッター)IDは@Struggler_AKIRA。

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