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「最高の夜を送っているのに…」今永昇太の7回“ノーノー”95球降板に地元放送局は不満。敵メディアも「チャンスを得られず」と異例の同情

THE DIGEST編集部

2024.09.05

7回を投げて無失点。ノーヒットに抑えていた今永の降板に一部疑問の声が上がっている。(C)Getty Images

 メジャー1年目の日本人左腕にとって、絶好機を逃したとも言えるマウンドだった。

 現地9月4日、シカゴ・カブスの今永昇太がピッツバーグ・パイレーツ戦に先発し、7回までを無安打無失点、7奪三振に抑える完璧なピッチングを披露。ノーノーのチャンスだったが、球数が95球に達したため降板した。チームはそのあと2投手の継投で12対0の完勝を収め、本拠地では52年ぶりとなるノーヒットノーランを達成した。

 日本人左腕が本拠地ファンの前で文句なしの快投を見せた。初回は三塁を守るアイザック・パレデスの悪送球でランナーを許したが、次打者を高めの速球で併殺打に打ち取る。3回から5回までは、すべて三者凡退。6回はパレデスが再び悪送球とゴロを処理し損ねる2失策を犯し、2死一、二塁とピンチを招く。踏ん張りどころの左腕は4番オニール・クルーズをカウント2-2からインコース低めのシンカーで空振り三振に仕留め、味方のミスをカバーした。

 今永は7回も続投。5球で簡単に2アウトを取ると、最後はジャレッド・トリオロをフルカウントからアウトコースに146キロの速球をズバッと決め、この日7つ目の三振を奪うと、グラブを叩き吠えた。

 無論、本拠地ファンはノーヒットを継続する今永の続投を望んだが、8回のマウンドには2番手のネート・ピアソンが登板。今永の降板にリグリー・フィールドからは異例のブーイングが起こり、交代に不満を表した。この直前、カブス専門放送局『Marquee Sports Network』の解説者は「ショウタは最高の夜を送っている。実に楽しい試合だ」と称賛のコメント。しかし、「にもかかわらず、どうやらカブスのブルペンに動きがある。残念ながら、今夜のショウタは完投するチャンスはないだろう」と話し、今永のノーノーが実現しないことを残念がった。
 
 一方、ノーノーの屈辱を受けたパイレーツの地元メディア『Triblive』は今永の降板を疑問視。「パイレーツが彼から得た唯一の走者は、2つの四球と3つのエラーで、いずれも三塁手パレデスが犯した」と言及。日本人ルーキーの前に手も足も出ない、まさにお手上げ状態だったと振り返った。さらに「イマナガは7回95球で降板し、ノーヒットノーランを達成するチャンスを得られなかった。なぜ続投させなかったのか?」とし、敵メディアも今永に同情を寄せた。

 同メディアによると、カブスのクレイグ・カウンセル監督は「この決断は容易なものではなかったが、ショウタの健康を考えての決断だった」と記者会見で述べた。今永自身も交代理由に理解を示しており、「次の試合も、その次もいい状態を保ってもらいたいと。僕も(監督と)同じ考えでした」と明かし、指揮官の指示に従う形で降板したと語っている。

構成●THE DIGEST編集部

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