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【DeNA】チームの弱点から強みへ。梶原昂希&蝦名達夫のニュースタイル1、2番コンビが巻き起こす奇跡へのムーブメント

萩原孝弘

2024.09.05

DeNAの新1、2番コンビとして躍動する梶原(左)と蝦名(右)。写真:萩原孝弘

☆大型外野手コンビの台頭

 奇跡の逆転優勝へ向け"勝ち切る覚悟"を戦いで示している三浦ベイスターズ。7月19日には貯金5の3位と虎視眈々と上を狙っていたが、そこから1か月後の8月17日には借金5と不調に陥った。しかし諦めない姿勢を示し続けた結果、現在は貯金を作り上げ、再び反撃体制を整えている。

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 立て直しには様々な要因があるのはもちろんのことだが、自慢の強力クリーンアップの前に位置する1、2番の働きも、見逃せないポイントとなっている。

 開幕時はゴールデンルーキーの度会隆輝がトップバッターとして存在感を示したが、徐々にプロの壁に当たり始めると、5月には代わって蝦名達夫が台頭。しかし6月半ばに怪我で離脱となると、7月からは二軍で調整を終えた梶原昂希がその座を掴んだ。しかし2番はなかなか固定せず、時には牧秀悟やタイラー・オースティンを起用し、超攻撃的打順を組むなど、フレキシブルに対応していた。

 だが、負けられない戦いが続くシーズン佳境に入り、1番梶原、2番蝦名のコンビがフィットしつつある。首位広島を本拠地に迎えた9月4日のゲームでは、初回に梶原がヒットで出塁すると、蝦名が三塁線を破るツーベースを放ち、スタートを切っていた梶原は長駆ホームイン。今までにない攻撃でチームに勢いをつけてみせた。

 この"カジエビ"コンビに鈴木尚典打撃コーチは「今年も色々な1、2番を試しましたけど」と前置きしつつ「もうそろそろ決着つけたいんですけどね」と手応えを感じている様子。続けて「ちょうど2人とも20代中盤で、色々勉強とか経験してきたことが実り、日に日に成長してくれてますからね」と頷く。また「ゴールデンルーキーが入って火が着くじゃないですけど、負けねえぞっていう意識は多分あると思いますよ」と度会の存在にも着目した。

 離脱前の1番から2番を任されている蝦名には「元々すごい真面目で、練習もいっぱいする選手」と評価していたとしながら「今スタメンで出ていて、ヒットやホームランを打つのが一番いいアピールなのかもしれないですけど、彼の打順的にはフォアボールを選ぶ、デッドボールでもいいからとにかく塁に出ることが求められている。塁に出れば、あとはすごいいいバッターが待っているから、それで点が入ったら、それがすごい評価になるからって話はしていますね」とつなぎ役としての役割の重要さを説いていると明かす。

 蝦名本人も「本当に後ろにたくさん長打を打てる打者がいるので、コンパクトに繋ぐ意識で。追い込まれたらしっかり1球でも多く投げさせる気持ちで打席には立っています」と師の教えを胸に刻んでいる。
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「中軸とのギャップをしっかり1、2番で作っていければ、相手にとっても嫌な存在になれる」