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「50-50」射程圏内の好調・大谷翔平に”一抹の不安”。米記者が野戦病院化するドジャースを懸念「嵐を乗り切る力が試される」

THE DIGEST編集部

2024.09.10

大谷は46号HRを放つなど、リーグ打撃2冠を突っ走る。(C) Getty Images

大谷は46号HRを放つなど、リーグ打撃2冠を突っ走る。(C) Getty Images

 常勝軍団に一抹の不安の声が上がっている。

 ロサンゼルス・ドジャースは現地9月6日からのクリーブランド・ガーディアンズとの3連戦を勝ち越して86勝57敗とし、ナ・リーグ西地区首位をキープ。2位サンディエゴ・パドレスとのゲーム差を6に広げ、地区優勝へのマジックナンバーを「13」とした。

 首位を走るドジャースは同8日、大谷翔平が自己最多タイとなる46号ソロホームランを放ちメジャー史上初の「46本塁打-46盗塁」を達成。前人未到の「50-50」を射程圏内に捉えるだけでなく、個人タイトルでは本塁打と打点のリーグ2冠に立つ活躍でチームをけん引している。

 だが順風満帆に見えるなか、今シーズンは度重なる負傷者の離脱にデーブ・ロバーツ監督は頭を悩ませている。先発投手陣ではタイラー・グラスノー、3度のサイ・ヤング賞左腕クレイトン・カーショウが負傷者リスト(IL)入り。さらに開幕から先発ローテーションの一角として25試合に登板し、チーム最多11勝をマークしていたギャビン・ストーンが右肩炎症のため戦線を離脱した。今月10日には右肩腱板損傷でIL入りしていた山本由伸が先発復帰する明るい兆しもあるが、投手陣の台所事情は苦しい。

 チームの苦難は、打撃陣にも及んでいる。大谷、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマンのMVPトリオに次ぐ4番を打っていたテオスカー・ヘルナンデスが6日のガーディアンズ戦の初回に左足首付近に死球を受け、退場となるアクシデントが起きた。幸い骨折はしていないことが判明しIL入りは避けられたが、シーズン終盤での離脱はチームにとって大きな痛手だ。
 
 地区首位をキープしているものの、投打でケガ人が続出しているドジャースの実情について、米老舗雑誌『The Sportingnews』のジャクソン・ロバーツ記者は不安の声を上げている。同氏はヘルナンデスの離脱について「深刻だ」と捉えており、「彼を少しでも失うのは辛いだろう。なぜなら、この右打者はロサンゼルスの打線の中で最も安定した打者のひとりだからだ。28本のホームラン、87打点、そしてOPS.819という成績で、昨季終了後に結んだ2300万ドル(約32.8億円)の契約に見合うだけの成果を上げている」と主張する。

 ヘルナンデスは今年のMLBオールスターに大谷と一緒に出場し、前日恒例のホームラン・ダービーでは優勝を成し遂げた。さらに明るい性格でチームの盛り上げ隊長を担うほど、彼の影響力は決して小さくない。

 ロバーツ記者は「ドジャースは球界屈指のタレントが揃う打線を擁しているが、この嵐を乗り切る力が試されるだろう」と言及。「ドジャースが望むことは、この外野手スターがポストシーズン初戦までに完全回復することだ」と論じ、ヘルナンデスの早期復帰がポストシーズンを戦い抜くうえで大きなカギを握ると指摘している。
 
 ドジャースは日本時間10日から、今永昇太と鈴木誠也が所属するシカゴ・カブスと3連戦を迎える。カード2戦目(同11日)には山本と今永が先発登板する予定で、日米通じて初めての投げ合いが実現する。両チームともポストシーズンを見据えるうえで、負けられない3連戦になりそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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