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「完全に支配していた」元WBC米監督が山本由伸を激賞! 今季のサイ・ヤング賞有力候補とそん色ない衝撃数値に脱帽

THE DIGEST編集部

2024.09.15

山本は約3か月ぶりの先発登板で4回3安打8Kと圧倒的な内容でメジャー復帰を飾った。(C) Getty Images

 日本人ルーキーがワールドシリーズ(WS)制覇の切り札になるのだろうか。

 MLB専門局『MLB Network』の番組に出演したWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の元米国代表監督のマーク・デローサ氏が、メジャー復帰登板で好投した山本由伸(ロサンゼルス・ドジャース)を高く評価している。

 山本は現地9月10日に行なわれた本拠地でのシカゴ・カブス戦に先発登板し、4回(59球)を投げて3安打8奪三振、無四球1失点。右肩腱板損傷を経て球数が「60球」という限定されたなか、約3か月ぶりのメジャーのマウンドで驚愕の奪三振ショーを披露した。

 ドジャース専門メディア『Dodgers Nation』は日本人右腕の復帰戦について、「ヨシノブ・ヤマモトの速球の平均球速は96マイル(約154.4キロ)を超え、スプリットとカーブはどちらも圧倒的だった」と高評価。続けて、「6月15日に右肩腱板を痛めて以来、初のメジャーリーグでの登板だったことを考えると、彼の制球は鋭かった」と記し、全体的に素晴らしいピッチングだったと褒め称えた。

 デローサ氏は出演した『MLB Network』のなかで、「ヤマモトは今年、怪我を除けば先発機会が多く、圧倒的な成績を残している。特にあの試合は、完全に支配していた。このルーキーは、初先発となった韓国でのサンディエゴ・パドレス戦(1回5失点)は打ち込まれたが、それ以外では偉大な投手たちのようなピッチングをしている」と解説。日本人右腕の復帰登板を独自な視点で、さらに詳しく分析した。
 
 同氏は山本のFIP(守備の関与しない被本塁打、与四球、奪三振の3つの項目から「守備から独立した防御率」を評価する指標)が、MLB全体でトップ5にランクインする「2.51」に注目。この数字はクリス・セール(アトランタ・ブレーブス)の「2.05」と、タリック・スクーバル(デトロイト・タイガース)の「2.54」とそん色ない数字を残しており、15試合以上先発した投手の中で2位だと指摘する。ちなみにセールは16勝、防御率2.38。スクーバルは16勝、防御率2.50でいずれもリーグ首位に立っており、両投手は今季のサイ・ヤング賞の最有力候補に挙げられている。

 続けて同氏は、山本の卓越した投球術について言及。少ない球種ながら、どれも一級品の鋭さで相手に的を絞らせないピッチングだと次のように称賛した。

「ヤマモトの投球は予測不可能だ。カブス戦では、フォーシーム・ファーストボール(37.3%)とスプリッター(32.2%)を30%以上の確率で投げ、次いでカーブが約29%、そしてスライダーが2%だった。彼の投球術で確かなのは、2ストライクを取ったら、半分以上の確率でスプリッターに変えるということだ。しかし、ヤマモトは3つの武器を持っており、ピンポイントなコマンドで投げていた。どのカウントで、どの球が来るか予測できないため、対戦打者にとっては非常に恐ろしいものだ」

 昨年のWBCで米国代表を率い、決勝で侍ジャパンと激突したデローサ氏は間近で山本のピッチングを見ている。同氏は「ドジャースがWSを制するためには、彼が重要な役割を果たし、多くの先発登板を果たさなければならないだろう」と話しており、山本が4年ぶりの世界一制覇のキーマンのひとりだと挙げている。

 ドジャースの先発陣は現在、多くの故障者を抱えている。例えば、エース右腕のタイラー・グラスノーは右肘の違和感を訴え、ポストシーズン前の復帰が不透明となった。加えて、3度のサイ・ヤング賞左腕クレイトン・カーショウ(左足親指炎症)、チーム最多11勝のギャビン・ストーン(右肩炎症)も負傷者リスト入り。リーグ西地区首位を快走しているものの、先発陣はまさに火の車だ。

 ゆえに故障明けとはいえ、日本人ルーキーにかかる期待は米識者からみてもかなり大きく、ポストシーズンに向けて右腕の働きはより重要度が増していきそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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