ついに未知の領域に到達した。

　現地９月19日、ロサンゼルス・ドジャースは敵地でマイアミ・マーリンズと対戦し、20対４で完勝を収め、ポストシーズン進出を確定させた。「１番・指名打者」でスタメン出場した大谷翔平は３ホーマーを含む、６打数６安打10打点２盗塁で「51本塁打-51盗塁」を達成。ひとりでチームの総得点の半分を稼ぐ異次元の活躍ぶりだった。

　この日はまさに、「ショータイム」だった。初回の第１打席は先発右腕のチェンジアップを捉え、右翼フェンスを直撃する二塁打。惜しくも49号とはいかなかったが、４番ウィル・スミスの打席で三盗を決めて今季50盗塁に到達。スミスの犠飛で先制のホームを踏んだ。さらに２回２死一、二塁の第２打席では右適時打で、続くムーキー・ベッツの打席でこの日２個目となる二盗を決めて51盗塁に伸ばした。

　大谷の勢いは止まらない。３回2死一、三塁の第３打席では左中間へ２点二塁打。４点リードの６回１死二塁の第４打席は内角低めのスライダーを捉えると、打った瞬間にホームランと分かる打球速度111.2マイル（約179キロ）、飛距離438フィート（約133.5メートル）を計測する49号の特大弾を右翼スタンド２階席に運んだ。

　そして、待ちに待った歓喜の瞬間は７回だ。２死三塁の第５打席、大谷は４番手マイケル・バウマンのナックルカーブをスイングすると、打球はレフトスタンドに着弾。MLB史上初の「50-50」を達成すると、大谷は感情が爆発。ベンチに向かって雄叫びを上げ、ダイヤモンドを一周してデーブ・ロバーツ監督と熱いハグを交わした。敵地にもかかわらず、ファンは総立ち。歓声に応えるため、大谷はヘルメットを取って一礼した。
  　無論、この歴史的瞬間をMLB公式は見逃していない。即座に50号アーチの動画を共有すると、「ショウヘイ・オオタニが成し遂げた。50本塁打-50盗塁。歴史」とシンプルに綴り、記録達成を称賛した。さらに下カメからのアングルも投稿。「唯一無二の偉業　オンリーワンの瞬間　オンリーワン選手」と、これ以上ない絶賛の言葉を重ねた。

　大谷はこのあと、９回２死で打席が回ってきた。この試合６度目の打席で高めのボールを振り抜くと、113.6マイル（約182.8キロ）、飛距離440フィート（約134.1メートル）、角度36度の51号アーチを右中間席に叩き込んだ。

　怪物級の活躍を見せた大谷。リーグ本塁打王争いでは２位のマーセル・オズーナ（アトランタ・ブレーブス）に13本差をつけキングを独走し、盗塁でもイチロー（シアトル・マリナーズ）が2001年に記録した日本人最多56盗塁に残り「５」に迫っている。いったい、どこまで記録を伸ばすのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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