2021年からリーグ3連覇を達成し、22年には日本一にも輝いたオリックスが、今シーズンはまさかの5位。中嶋聡監督は責任をとる形で球団の慰留を受け入れずに退陣した。絶対王者になりつつあったチームがなぜ転落してしまったのか、まずは投手と野手に分けて分析してみたい。今回は野手編をお届けする。
ズバリ、チームが5位に転落した大きな要因は3連覇の時に見られた「全員でつなぐ野球」ができなかった打線にある。チーム打撃成績の数字を昨シーズンと比べてみると、得点は508から402と100点以上も減少。本塁打も109から71と38本も減だった。完封負けも1リーグ時代の1942年に並び、球団ワースト記録となる24度。点が取れずにピッチャーを見殺しにしてしまう場面が多く、中嶋聡前監督が「ピッチャーには申し訳ないという気持ちしかない」「これを見て野手がどう思うのか」と野手陣の奮起を促しても、最後まで改善されることはなかった。
昨年の森友哉に続いて、昨オフに広島から西川龍馬をFAで獲得。一昨年に吉田正尚がメジャー移籍して手薄になっていた外野の一角を埋めることができた。23年は広島で打率.305を記録し、ベストナインにも選ばれたセ・リーグの好打者獲得にファンも胸を躍らせていたのは事実で、球団も敦賀気比高の先輩でもある吉田が背負っていた背番号「7」を与えるほど期待していた。そんな期待に応えるべく、西川は怪我人が続出する中フルシーズン一軍で過ごしたが、打率.258と本来の力を発揮できずにシーズンを終えている。
チームで規定打席をクリアしたのは、西川と森友哉(打率.281)、紅林弘太郎(.247)の3選手。森は序盤は不調だったものの、オールスター前から調子をぐんぐんと上げていき、怪我で離脱しても最短で戻るなど、今年も責任感溢れる姿勢が目立った。逆に紅林は前半戦こそ好調でオールスターにも野手ではチームで唯一選出されたが、その後は失速してしまった。
また、昨年の首位打者だった頓宮裕真が打率.197、7本塁打とまさかすぎる大不振。3連覇に貢献した杉本裕太郎も打率.233、11本塁打に留まった。一発が見込める2人が機能しなかったのは厳しく、さらに昨季まで「つなぐ野球」を体現していた宗佑磨、中川圭太の不振も打線の勢いを止めてしまった。
とはいえ、悪いことばかりではなかった。規定には届かなかったが、オープン戦から好調だった太田椋が打率.288、6本塁打と活躍。怪我さえしなければもっと大化けする可能性があるだけに、来年は一年を通じての一軍での活躍を期待したい。
来季は「ピッチャーの負担を減らすこと」を第一に考えて、改めて「全員でつなぐ野球」を岸田護新監督のもと、構築することで、チームを再び優勝、日本一へと導いてもらいたい。
文⚫︎THE DIGEST取材班
写真⚫︎野口航志
ズバリ、チームが5位に転落した大きな要因は3連覇の時に見られた「全員でつなぐ野球」ができなかった打線にある。チーム打撃成績の数字を昨シーズンと比べてみると、得点は508から402と100点以上も減少。本塁打も109から71と38本も減だった。完封負けも1リーグ時代の1942年に並び、球団ワースト記録となる24度。点が取れずにピッチャーを見殺しにしてしまう場面が多く、中嶋聡前監督が「ピッチャーには申し訳ないという気持ちしかない」「これを見て野手がどう思うのか」と野手陣の奮起を促しても、最後まで改善されることはなかった。
昨年の森友哉に続いて、昨オフに広島から西川龍馬をFAで獲得。一昨年に吉田正尚がメジャー移籍して手薄になっていた外野の一角を埋めることができた。23年は広島で打率.305を記録し、ベストナインにも選ばれたセ・リーグの好打者獲得にファンも胸を躍らせていたのは事実で、球団も敦賀気比高の先輩でもある吉田が背負っていた背番号「7」を与えるほど期待していた。そんな期待に応えるべく、西川は怪我人が続出する中フルシーズン一軍で過ごしたが、打率.258と本来の力を発揮できずにシーズンを終えている。
チームで規定打席をクリアしたのは、西川と森友哉(打率.281)、紅林弘太郎(.247)の3選手。森は序盤は不調だったものの、オールスター前から調子をぐんぐんと上げていき、怪我で離脱しても最短で戻るなど、今年も責任感溢れる姿勢が目立った。逆に紅林は前半戦こそ好調でオールスターにも野手ではチームで唯一選出されたが、その後は失速してしまった。
また、昨年の首位打者だった頓宮裕真が打率.197、7本塁打とまさかすぎる大不振。3連覇に貢献した杉本裕太郎も打率.233、11本塁打に留まった。一発が見込める2人が機能しなかったのは厳しく、さらに昨季まで「つなぐ野球」を体現していた宗佑磨、中川圭太の不振も打線の勢いを止めてしまった。
とはいえ、悪いことばかりではなかった。規定には届かなかったが、オープン戦から好調だった太田椋が打率.288、6本塁打と活躍。怪我さえしなければもっと大化けする可能性があるだけに、来年は一年を通じての一軍での活躍を期待したい。
来季は「ピッチャーの負担を減らすこと」を第一に考えて、改めて「全員でつなぐ野球」を岸田護新監督のもと、構築することで、チームを再び優勝、日本一へと導いてもらいたい。
文⚫︎THE DIGEST取材班
写真⚫︎野口航志
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