現地10月25日、ロサンゼルス・ドジャースとニューヨーク・ヤンキースのMLBワールドシリーズ（WS）第１戦がドジャー・スタジアムで行なわれ、延長10回にフレディ・フリーマンが逆転サヨナラ満塁ホームランを放ち、ドジャースが劇的な形で先勝した。

　誰も予想しない鮮やかな幕切れだった。１点ビハインドのドジャースは延長10回裏、２死満塁の絶好機を作ると、３番フリーマンがヤンキースの左腕ネスター・コルテスJr.の初球ストレートをいきなり振り抜くと、右手を挙げてスタンドインを確信。打球を右翼スタンドに叩き込んだ。フリーマンの今季ポストシーズン第１号となる逆転グランドスラムに本拠地ファンは大熱狂。しかも、WS史上初となるサヨナラ満塁弾で試合を決めた。

　劇的な形で幕を閉じた第１戦だが、実は球場が一時騒然となるハプニングがあった。

　２対２の９回２死走者なしで、ヤンキースの１番グレイバー・トーレスがレフトへ打った大飛球を、最前列に座っていたドジャースファンがフェンスから身を乗り出してグラブでダイレクトキャッチしてしまったのだ。すぐさま左翼手のテオスカー・ヘルナンデスがフェンス手前で捕球したことを塁審に猛アピール。ビデオ判定の結果、トーレスの記録は二塁打とされた。試合は再開されたが、ビジョンにリプレー映像が流れると球場からは打球をキャッチした男性ファンに向かってブーイングが飛んだ。
  　この場面には試合を生中継したフジテレビで解説を務めていた元シカゴ・カブスの福留孝介氏、今シーズン限りで現役引退を発表したヤクルトの青木宣親も、「ああああ～っ！」「えっ...」と驚きのリアクションを見せた。結局、この回ヤンキースが無得点に終わると、福留氏は「ボールをキャッチした人が心配ですね」とファンの行く末を心配する声を思わず漏らした。

　福留氏の悪い予感が的中したのか、このあと該当の男性ファンは気まずい表情を見せて、球場の警備員に連れられる前に自ら席を離れて通路に消えていったようだ。

　白熱した試合の終盤で起きた世紀の珍事。勝利の女神は最終的にドジャースに微笑んだ。

構成●THE DIGEST編集部

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