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左肩亜脱臼の大谷翔平、ロバーツ監督が示唆したWS第3戦”出場見込み”に米大手紙が見解「ベストの状態ではないだろうが…」

THE DIGEST編集部

2024.10.28

大谷はWS第2戦で左肩を負傷し、トレーナーに付き添われてベンチに引き揚げた。(C)Getty Images

 球界をけん引するスーパースターの出場は本当に実現するのだろうか。

 現地10月28日(日本時間29日)からロサンゼルス・ドジャースとニューヨーク・ヤンキースのワールドシリーズ第3戦が行なわれる。ロサンゼルスからニューヨークに舞台を移す一戦には、第2戦の試合中に左肩を負傷した大谷翔平(ドジャース)の出場可否が大きな焦点となっている。

 世界中の野球ファンが言葉を失ったのは、ドジャースが3点をリードした7回だ。ここまで3打席ノーヒットが続いていた大谷は1死から四球で出塁。次打者が倒れ、2死一塁の場面になると、大谷は3番テオスカー・ヘルナンデスの打席で初球スチールを敢行。タッチをかいくぐるようにスライディングするが惜しくもタッチアウト。攻守交替となったが、このとき大谷の左肩に予期せぬ異変が起きた。

 大谷は相手二塁手のタッチをかわそうとした際に左肩を痛めたようで、しばらくグラウンドに倒れたまま、顔をゆがめる。レギュラーシーズン中でも滅多に痛がる素振りを見せない日本人スターのただならぬ異変にデーブ・ロバーツ監督はすぐに飛び出し、トレーナーとともに悲しげな表情を浮かべて駆け寄った。

 大谷は自力で立ち上がったが、トレーナーに左腕を支えられながらダグアウトに引き揚げた。チームは4対2で勝ちシリーズを連勝したが、大谷の姿はすでにベンチになく、チームメイトと喜びを分かり合うことなくクラブハウスを後にしていた。

 試合後、大谷の左肩負傷は「亜脱臼」だと診断された。ロバーツ監督は試合直後、「(左手の)強度や可動域は悪くなかった」と説明。軽傷を強調したが、大谷はニューヨーク移動するドジャースとは別行動をとり、ロサンゼルスで精密検査を受けた後、ひとりで敵地へ飛びチームと合流した。

 そして第3戦を控えた前日会見でロバーツ監督は、左肩亜脱臼の大谷について「ショウヘイが第3戦に出場しないなどということは考えていない」と言及。「本人がプレーできる状態だと感じていれば、彼を出場させない理由はない」と話し、試合出場は可能との見解を伝えた。
 
 指揮官の「出場可能」発言に現地メディアも早速反応を示している。1982年に創刊された全米50州をすべてカバーする日刊紙『USA TODAY』は「おそらくオオタニはベストの状態ではないだろう。しかしロバーツ監督は、第3戦のヤンキース先発投手のクラーク・シュミットに対して、彼の存在感が桁違いであることを考えれば、その心配はあまりしていない」と記し、4年ぶりの世界一奪還に向けて連勝の勢いに乗って一気に畳みかけたい指揮官の思惑を分析。故障を抱えているとはいえ、ここまでポストシーズン13試合で3本塁打、10打点、OPS.863を記録している大谷の打棒は必要不可欠だと強調した。

 他にも、米ニュースサイト『NBC Bay Area』はロバーツ監督のコメントを紹介したうえで、「ドジャースファンにとっては、チームを代表する選手のひとりが出場できるという安心感がある」と言及。大谷の第3戦出場の可能性に期待を寄せた。

 ベーブ・ルース以来のメジャー二刀流プレーヤー、前人未到の「50本塁打-50盗塁」達成など、実現不可能と思われた困難を乗り越えてきた大谷。メジャー7年目で渇望した大舞台で、あと2勝に迫った世界一の称号を自身の手で掴むことはできるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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