ワールドシリーズを制したロサンゼルス・ドジャースが現地11月1日、ロサンゼルスで優勝パレードを行なった。沿道には22万5000人もの人が集まり、トロフィーを持ち帰った選手たちに大きな歓声を挙げた。
「クレイトン・カーショウは泣いた。キケ・ヘルナンデスは威勢よく歩き回った。デーブ・ロバーツは葉巻を吸った。そしてロサンゼルスは歓喜した。彼らは2024年シーズンの勝者だ。そしてこの街は、ついに36年間夢見てきたパレードを実現した。36年かけて準備されたLAの愛の祭典だ」と、地元カリフォルニアの日刊紙『Orange County Register』は報じた。
ドジャースがパレードを行なうのは、7回目の優勝を果たした1988年以来36年ぶり。2020年に優勝した際はコロナ禍だったため、パレードは行なわれなかった。その分、ロサンゼルスの人たちにとっては特別な瞬間だった。
ドジャースの優勝回数はサンフランシスコ・ジャイアンツと並ぶ8回。ニューヨーク・ヤンキースの27回、セントルイス・カーディナルスの11回、オークランド・アスレティックスとボストン・レッドソックスの9回に次いで、MLBでは5位タイだ。
「ドジャースの歴史の大部分では弱小チームだったが、いまでは球界屈指の巨人となった。直近12年のうち、ナ・リーグ西地区で11回優勝している。しかし失敗も多くしている。2017年のワールドシリーズでヒューストン・アストロズに敗戦。後にアストロズがサイン盗みの不正行為を行なっていたことが明らかになった。ドジャースとファンはタイトルを“盗まれた”。翌18年もワールドシリーズでレッドソックスに敗れ、タイトルへの希望は絶望に変わった」
新型コロナウイルスの影響で短縮シーズンとなった2020年にドジャースは優勝したもののパレードは行なわれず、しかも他チームのファンから“正当な”優勝タイトルではないという批判が相次いだ。21年はリーグ優勝決定シリーズで、22年と23年は地区シリーズで敗れている。
同紙は、優勝パレードとドジャー・スタジアムで行なわれた祝賀セレモニーの内容を伝えながら、さらに今回の優勝には大きな意味があるとも記している。
「ドジャースはロサンゼルスのプロスポーツ組織のなかで、最も街に綿密に結びついたチームのひとつだ。社長兼CEOのスタン・カステンは、“球団の成功はファンのおかげだ”と語り、ショウヘイ・オオタニは“このチームの一員でとても光栄です。ロサンゼルス、そしてファンの皆さん、ありがとう”と語った。多くの選手がロサンゼルスへの愛とファンへの感謝を表明した」
【動画】22万人以上のファンが大熱狂したドジャースの優勝パレード&祝賀セレモニー
ファンへの感謝の言葉が、優勝セレモニーには必要だった。ドジャースは1958年にニューヨークのブルックリンからロサンゼルスに移転し、59年、63年、65年にワールドシリーズで優勝した。しかし、ブルックリンにいた頃のように、当時のドジャースは街の一部分ではなかったという。
「その理由のひとつは、ロサンゼルスの巨大なメキシコ系アメリカ人コミュニティーだ。後にドジャー・スタジアムができるチャベス渓谷のエリアは、元々ヒスパニック系住民の多い地域だった。市が土地収用権を行使してスタジアムを整備したため、ヒスパニック系アメリカ人は強い不満を持っていた」
ドジャースと地元住民との軋轢を解決したのが、81年に登場したフェルナンド・バレンズエラだった。
「メキシコの小さな町出身のずんぐりとした投手が、開幕戦で完封勝利を収めて一躍脚光を浴びた。この勝利は、後に伝説となった8試合連続勝利の最初の一歩目だった。メキシコ系アメリカ人たちは自分たちに似た新たなヒーローを見るためにドジャー・スタジアムに集うようになった。この年、バレンズエラは史上初めて新人王とサイ・ヤング賞をダブル受賞した」
バレンズエラは86年に21勝で最多勝のタイトルに輝き、この年のオールスターで52年ぶりの5者連続三振を記録。90年にはノーヒットノーランを達成するなど、ドジャースに多大な貢献を果たして街の英雄となった。“フェルナンド・マニア”という熱狂的なファンが生まれたほどで、気づけばドジャースはロサンゼルスの一部となっていた。
「バレンズエラが出現し、ドジャースのファン層が劇的に変わった。それ以来、ドジャースは街の文化に深く根付いていった。彼は数日前の10月22日に亡くなってしまったが、ワールドシリーズを制したドジャースがパレードを行なった11月1日は、バレンズエラの誕生日だった」
ヒスパニック系アメリカ人にとってバレンズエラの存在は大きかった。「あるメキシコ系のファンは、“フェンナンドが多くのヒスパニックを試合に呼び寄せた。彼の誕生日にパレードを見るのは特別だ。ドジャースは家族なんだ”と語った。ロサンゼルスとドジャースはともに数々の悲痛な思いを乗り越えてきた。だから11月1日に一緒に、盛大に喜ぶことができたのだ」
このようにドジャースの優勝の意味を説明してきた同紙は、次のようなフレーズで記事を締めている。
「ドジャースとファンは特別な優勝と深い絆を祝った。優勝セレモニーの選手スピーチでカーショウがある言葉を発した。ドジャー・スタジアムでこの言葉を聞いたファンも、沿道でパレードを見たファンも、自宅でセレモニーを観ていたファンも同じ気持ちだったはずだ。“生涯ドジャー”」
構成●THE DIGEST編集部
【記事】「え? オーマイゴッシュ!」ド軍ロバーツ監督が“超大物”からまさかの直電に仰天! 嬉しそうな姿に「見たことない表情だ」などツッコミ続出
「クレイトン・カーショウは泣いた。キケ・ヘルナンデスは威勢よく歩き回った。デーブ・ロバーツは葉巻を吸った。そしてロサンゼルスは歓喜した。彼らは2024年シーズンの勝者だ。そしてこの街は、ついに36年間夢見てきたパレードを実現した。36年かけて準備されたLAの愛の祭典だ」と、地元カリフォルニアの日刊紙『Orange County Register』は報じた。
ドジャースがパレードを行なうのは、7回目の優勝を果たした1988年以来36年ぶり。2020年に優勝した際はコロナ禍だったため、パレードは行なわれなかった。その分、ロサンゼルスの人たちにとっては特別な瞬間だった。
ドジャースの優勝回数はサンフランシスコ・ジャイアンツと並ぶ8回。ニューヨーク・ヤンキースの27回、セントルイス・カーディナルスの11回、オークランド・アスレティックスとボストン・レッドソックスの9回に次いで、MLBでは5位タイだ。
「ドジャースの歴史の大部分では弱小チームだったが、いまでは球界屈指の巨人となった。直近12年のうち、ナ・リーグ西地区で11回優勝している。しかし失敗も多くしている。2017年のワールドシリーズでヒューストン・アストロズに敗戦。後にアストロズがサイン盗みの不正行為を行なっていたことが明らかになった。ドジャースとファンはタイトルを“盗まれた”。翌18年もワールドシリーズでレッドソックスに敗れ、タイトルへの希望は絶望に変わった」
新型コロナウイルスの影響で短縮シーズンとなった2020年にドジャースは優勝したもののパレードは行なわれず、しかも他チームのファンから“正当な”優勝タイトルではないという批判が相次いだ。21年はリーグ優勝決定シリーズで、22年と23年は地区シリーズで敗れている。
同紙は、優勝パレードとドジャー・スタジアムで行なわれた祝賀セレモニーの内容を伝えながら、さらに今回の優勝には大きな意味があるとも記している。
「ドジャースはロサンゼルスのプロスポーツ組織のなかで、最も街に綿密に結びついたチームのひとつだ。社長兼CEOのスタン・カステンは、“球団の成功はファンのおかげだ”と語り、ショウヘイ・オオタニは“このチームの一員でとても光栄です。ロサンゼルス、そしてファンの皆さん、ありがとう”と語った。多くの選手がロサンゼルスへの愛とファンへの感謝を表明した」
【動画】22万人以上のファンが大熱狂したドジャースの優勝パレード&祝賀セレモニー
ファンへの感謝の言葉が、優勝セレモニーには必要だった。ドジャースは1958年にニューヨークのブルックリンからロサンゼルスに移転し、59年、63年、65年にワールドシリーズで優勝した。しかし、ブルックリンにいた頃のように、当時のドジャースは街の一部分ではなかったという。
「その理由のひとつは、ロサンゼルスの巨大なメキシコ系アメリカ人コミュニティーだ。後にドジャー・スタジアムができるチャベス渓谷のエリアは、元々ヒスパニック系住民の多い地域だった。市が土地収用権を行使してスタジアムを整備したため、ヒスパニック系アメリカ人は強い不満を持っていた」
ドジャースと地元住民との軋轢を解決したのが、81年に登場したフェルナンド・バレンズエラだった。
「メキシコの小さな町出身のずんぐりとした投手が、開幕戦で完封勝利を収めて一躍脚光を浴びた。この勝利は、後に伝説となった8試合連続勝利の最初の一歩目だった。メキシコ系アメリカ人たちは自分たちに似た新たなヒーローを見るためにドジャー・スタジアムに集うようになった。この年、バレンズエラは史上初めて新人王とサイ・ヤング賞をダブル受賞した」
バレンズエラは86年に21勝で最多勝のタイトルに輝き、この年のオールスターで52年ぶりの5者連続三振を記録。90年にはノーヒットノーランを達成するなど、ドジャースに多大な貢献を果たして街の英雄となった。“フェルナンド・マニア”という熱狂的なファンが生まれたほどで、気づけばドジャースはロサンゼルスの一部となっていた。
「バレンズエラが出現し、ドジャースのファン層が劇的に変わった。それ以来、ドジャースは街の文化に深く根付いていった。彼は数日前の10月22日に亡くなってしまったが、ワールドシリーズを制したドジャースがパレードを行なった11月1日は、バレンズエラの誕生日だった」
ヒスパニック系アメリカ人にとってバレンズエラの存在は大きかった。「あるメキシコ系のファンは、“フェンナンドが多くのヒスパニックを試合に呼び寄せた。彼の誕生日にパレードを見るのは特別だ。ドジャースは家族なんだ”と語った。ロサンゼルスとドジャースはともに数々の悲痛な思いを乗り越えてきた。だから11月1日に一緒に、盛大に喜ぶことができたのだ」
このようにドジャースの優勝の意味を説明してきた同紙は、次のようなフレーズで記事を締めている。
「ドジャースとファンは特別な優勝と深い絆を祝った。優勝セレモニーの選手スピーチでカーショウがある言葉を発した。ドジャー・スタジアムでこの言葉を聞いたファンも、沿道でパレードを見たファンも、自宅でセレモニーを観ていたファンも同じ気持ちだったはずだ。“生涯ドジャー”」
構成●THE DIGEST編集部
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