プロ野球

DeNA、史上最大の下剋上は彼らの献身なしには語れない! 7年前の忘れ物を遂に手にした戦士たちの存在感

萩原孝弘

2024.11.04

シリーズMVPを獲得した桑原(左)と三浦監督が喜びの会見。写真:萩原孝弘

☆26年ぶりの歓喜

「もう嬉しくて嬉しくて、震えてましたね」

 日本シリーズを制覇し、マウンド上で5回宙に舞った三浦監督は、感涙とともに満面の笑みを浮かべた。

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 リーグ戦は3位に終わりながらも、CSに入るとチームの集中力は日に日にアップ。甲子園では阪神を寄せ付けず、東京ドームでは巨人と1点を争う死闘を制した。そして迎えた日本シリーズ。圧倒的な戦力でパ・リーグを制圧したソフトバンクとの戦いは、戦前の予想では圧倒的に不利との予想を跳ね除け、4勝2敗で日本一の座を手中に収めた。それだけに指揮官の喜びもひとしおだっただろう。
 
 一気に駆け抜け掴んだ頂点。そこには7年前、日本シリーズで敗れた戦士たちの経験とプライドが結果となって現れた。

 まずはCSでMVPに輝いた戸柱恭孝の攻守に渡る貢献ぶりは目を引いた。主戦捕手の山本祐大が離脱の中「1年間毎日試合出ることは少なかったんですけど、しっかり一緒に試合に入っていける準備をしてました」と山本がマスクを被り続ける日々でも早出を日課とし、常にバックアップ体制を整え続けたことがモノを言った。そして「7年前、経験を一応させてもらったんですけど、もう今はチームの色も違いますし、当時いた選手も多くはないので。経験した選手で引っ張っていくのもいいんですけど、新しい選手とみんなでまた一丸に戦っていきたいなと思います」との意気込み通り、助っ人外国人ピッチャーに加え、坂本裕哉や中川颯らの若いリリーバーたちを下支え。第3戦以降、強力ソフトバンク打線をわずか2失点に抑えるリードが冴え渡った。

 また日本シリーズ通じて6打点と勝負強さを発揮したのは筒香嘉智。バットの貢献だけではなく「今までチームのことを思っていても、なかなか選手が動ききらない状況でした。キャプテンの牧(秀悟)を中心としてやってますけど、それ以外のメンバーでも気づいている点、チームとして改善しなきゃいけないというところを、何度も話し合いました」と7年前にキャプテンを務めた経験を元にアドバイスを惜しまなかった。シーズン中は怪我の影響もあり、成績としては満足いかない部分もあっただろうが、優勝するために横浜に帰還した男の影響力は、数字では測れない貢献があった。
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チームリーダーの牧も敵地初戦での二塁打に感謝