MLB

「完全にミスマッチだ」「彼らは怠け者」ヤ軍の傷口に塩を塗るド軍救援右腕の問題発言にNY紙が敏感反応「憎悪をさらにヒートアップさせた」

THE DIGEST編集部

2024.11.05

WSで露呈したヤ軍の拙守をド軍右腕が皮肉った。(C)Getty Images

 グラウンド外で思わぬ舌戦が勃発している。

 MLBワールドシリーズ(WS)はロサンゼルス・ドジャースがニューヨーク・ヤンキースを4勝1敗で下し、4年ぶり8度目のワールドチャンピオンに輝き熱戦にピリオドが打たれた。ところが、ドジャース救援右腕の問題発言が物議を醸し、NYメディアが怒りを露にしている。

 事の発端は、ドジャースのジョー・ケリーが米ポッドキャスト番組『Baseball Isn't Boring』に出演し、番組内でWSの話題を振られると、「最初から不釣り合いな試合だった。ドジャースが普段通りの野球をすれば、普通に勝てると分かっていた」と語り、ヤンキースを皮肉ったこと。さらに追い打ちをかけるように、東の名門球団をこき下ろす発言を繰り返した。

「プレーオフに出場したチームの順位付けをすれば、ヤンキースは8位か9位のチームにランクされるかもしれない。サンディエゴ・パドレス、フィラデルフィア・フィリーズ、ニューヨーク・メッツ、アトランタ・ブレーブスが彼らより上だ。クリーブランド・ガーディアンズのプレーも最悪だったけど、ガーディアンズの方が守備も良くて、全体的に野球も上手かった。完全にミスマッチだったよ」

「私たちは数多くのスカウトレポートに目を通している、私たちのクラブハウスには大物スーパースターがたくさんいるが、彼らは細心の注意を払って、怠けることなく一生懸命にプレーをしている。それがヤンキースとの最大の違いであり、両軍を分ける大きな差だ」
 
 他にも、WSで露呈したヤンキース守備陣の綻びを鋭く指摘したケリー。当然ながら、NYメディアはこの発言を見過ごしていない。普段はメッツの試合を中心に放送している『SNY』は電子版で「ジョー・ケリーがヤンキースを痛烈に批判。彼らの傷口に塩を塗った」と報じ、肩の負傷のためポストシーズンに登板すらしなかった右腕の発言に苛立ちを隠せなかった。

 そして、辛口で知られる米紙『New York Post』は「ドジャースのジョー・ケリーがヤンキースのスター選手たちを"怠け者"と非難した」という見出しを打ち、大々的に報道。「ケリーは、ドジャースがWS制覇した後もヤンキースを非難するのをやめない。ヤンキースへの憎悪をさらにヒートアップさせた」と伝え、右腕の発言に敏感に反応を示している。

 ヤンキースの選手たちが怠け者だったかどうかはさておき、確かに本シリーズではヤンキース守備陣の軽率ミスが、少なからず試合に影響を与えた。第1戦では8回、大谷翔平のフェンス直撃二塁打を二塁手グレイバー・トーレスが右翼からの送球をグラブで弾き、それを見逃さなかった大谷は二塁から一気に三塁へ。最終的にドジャースに同点打を許すと、延長10回にフレディ・フリーマンの劇的なサヨナラ満塁ホームランで決着し、大事な初戦を落とした。

 そして最大の敗因と揶揄されているのは、ドジャースに王手をかけられた第5戦での拙守だ。ヤンキース5点リードで迎えた5回無死一塁の場面で平凡なフライを中堅アーロン・ジャッジが落球、さらに遊撃アンソニー・ボルピーの悪送球で満塁のピンチを招くと、先発ゲリット・コールがムーキー・ベッツを一塁ゴロに打ち取ったはずがベースカバーを怠り、あっさり1点を与えたのだ。これで完全にリズムが狂ったエース右腕はフリーマン、テオスカー・ヘルナンデスに連続適時打を打たれ、一挙5失点。相次ぐ凡ミス連発で一気に試合の流れがドジャースに傾くと、6対7で逆転負け。わずか1勝しか挙げられず、15年ぶりの戴冠を逃した。

 大舞台で43年ぶりに実現した名門球団同士のシリーズは、決着後も新たな火種を残している。

構成●THE DIGEST編集部

佐々木朗希、ロッテからの来季条件提示"拒否"の米報道に波紋「ドジャースだ!」「向こうの有識者層はアテにならん」
NEXT
PAGE
【動画】「完全にミスマッチ」ド軍救援右腕が痛烈に皮肉ったヤンキース守備陣の綻び