プロ野球

オリックス入団のチェン・ムーヘンに台湾野球研究家が太鼓判「日本人なら間違いなくドラフト1位で消えている」【オリ熱コラム2024】

THE DIGEST編集部

2024.11.14

台湾出身のチェン・ムーヘン。育成枠での入団ながら期待は大きい。写真:野口航志(DsStyle)

 オリックスは台湾出身の右腕、陳睦衡(チェン・ムーヘン)と育成契約を締結し、今月1日に大阪・舞洲の青濤館で入団会見を行った。チェンは2006年3月生まれの18歳。台湾の国立大学を経ての入団だが、昨年のドラフトで高卒指名された世代と同い年となる。今年、台湾で開催されたU-18アジア選手権大会では、韓国と日本を相手に先発登板し、いずれも無失点と好投を見せており、メジャー関係者からも熱視線を送られていた逸材だ。

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 台湾野球に詳しい古賀隆介氏によると「昨年から二刀流としてチームのエース兼一、二塁で中軸打者という感じでしたが、台湾国内の超名門にいたことから、投手層が厚かったので、冬までは投手というより打者評価の方が高く、メジャーでは最後まで打者としての評価でした」とのこと。

「昨夏のU-18はリリーフでMAX147キロだったのが、今年のU-18韓国戦では先発で153キロと1年で球速が大きく伸びて、球質や変化球もかなり良くなったので、日本の球団が興味を示し始めたんです。変化球は決め球はフォーク、カウント球はスライダーがメイン。他にカーブ、チェンジアップと球種は多彩で、特にフォークは非常に評価が高いです。真っすぐと変化球ともにコントロールが安定しているので、ストライクを取るのに苦労せず、マウンドさばきも落ち着きを感じます」と、特に投手として高い評価を与えていた。
 さらに、「高校時代から食事生活にも気を遣っていて、マインド面も評価が高く、チームではキャプテンも務めていました。もし日本人の高校生がこのレベルなら、間違いなくドラフト1位で消えているはずなので、オリックスはかなりいい買い物したのではないでしょうか」とも語っている。

 ちなみに「二刀流は人気マンガ『MAJOR』の主人公である茂野吾郎の影響で始めたとのことです」とのこと。入団会見でチェンは「すごく興奮しています。これからオリックスに貢献できるように頑張ります」と語ると、「気持ちがすごく安定していて揺れないところが自分のアピールポイントです」と古賀氏の評価を裏付けるようなコメントも。二刀流への挑戦にも意欲を見せている。また、対戦してみたい相手として、日本ハムの万波中世の名前を挙げている。
 将来的にはメジャーを目指す気持ちもあるだけに、まずは着実に実績を積みながら支配下登録を勝ち取りたいところ。首脳陣は投手/野手の適性も見極めていくことだろう。ちなみに右投げ左打ちとあって「大谷翔平(ドジャース)選手は、世界の舞台に立って自分の目標を達成している素晴らしい選手です。僕も彼のように頑張りたいと思います」と抱負を語った。大谷のように世界で飛躍するためにも、まずは日本で結果を残したい。

文・写真●THE DIGEST取材班