プロ野球

【トライアウト】柿木蓮、櫻井周斗、吉田凌…甲子園を沸かせたスターピッチャーたちの再チャレンジ「まだ野球やりたい。できる場所があるなら頑張りたい」

萩原孝弘

2024.11.14

12球団合同トライアウトに参加した吉田(左)と柿木(右)。来季への契約に繋がる投球となっただろうか。写真:福冨倖希

 甲子園を沸かせ、プロの門を叩いた3人のピッチャーたち。厳しい世界での戦いの中で非情宣告を受け、再チャンスを求めてトライアウトに挑んだ。

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☆春夏連覇の1番右腕

 名門・大阪桐蔭高で1番を背負い、現中日の根尾昂、現ロッテの藤原恭大らとともに甲子園で春夏連覇を達成。華々しい実績を引っ提げ日本ハム入りした柿木蓮もトライアウトに参加した。

 まず元巨人の菊田を外角低めのストレートで簡単に追い込むと、最後は低めの変化球で空振り三振。続く元中日の三好大倫もレフトフライに打ち取り、安定した投球を見せた。

 幾度となく大舞台を経験しているが「僕は元々緊張するので、そのまますごい緊張しながらやりました」と意外な一面を告白。この日には「自分が何をアピールできるのかっていうのを考えた結果、やっぱりストライク先行っていうところが一番に上がっていたので、そこはすごい意識していました」とコントロールを重視していたと明かした。そのうえで「欲を言うならもっとスピード出るかなと思ってたんですけど、スピード抜きだったら変化球もコントロールできました。思った通りできたかなと思います」と頷いた。

 最後に「みんな頑張ってるんで、できることなら僕もまだ野球やりたい。できる場所があるなら頑張りたい」と各球団で頭角を表わしつつある同年代との共闘を思い描き、球場を去った。


☆シリーズも経験のスライダーピッチャー

 吉田凌は東海大相模高から中日に入団した小笠原慎之介と二枚エースとして甲子園優勝を経験し、オリックスに入団。20年には35試合に登板とブルペンでチームに貢献し、翌年には日本シリーズで5試合に登板するなど存在感を示した。2023年になると、一軍で19試合に登板したがオフには戦力外通告。今年はロッテに育成として入団し、5月に支配下を勝ち取ったが一軍では打ち込まれ、2年連続の戦力外を受けた。

 この日は29番目に登板した吉田は、元ヤクルトの西田明央をサードゴロに打ち取るも、元ロッテの菅野剛士にはライトへツーベースヒットを打たれ、マウンドを後にした。

 役目を終え「70点か80点ぐらい」と自己評価し「しっかりと勝負はできたのかな。あとはフォアボールを出さないことを意識したので、まあまあ、まずまずだったかな」と頷いた。ウィニングショットの独特な軌道のスライダーについては「それでプロになれたのもありますし。それでいい経験も悪い経験もしたんで。それはどんどんこれからもう磨いて頑張っていこうとは思います」と言葉に力を込めた。

 ことしはZOZOマリンでの開催ということもあり「最後の最後にあの姿を見せれたらよかったと思います」と微笑み「これからまた違うところで姿を見せれるように頑張っていきたいなと思います」と熱狂的なファンの後押しも受け、先に進むと宣言した。
 
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「自分の武器であるスライダーを最後に投げきれればいいなと思って」