侍ジャパン

侍ジャパンに脅威を与える台湾野球の圧倒的な応援の“凄み”。欠かせないチアの存在感/現地発【プレミア12】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2024.11.15

台湾のチアガール。球場を大いに盛り立てた。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 応援の"凄み"を感じた瞬間だった。

 現地11月14日、野球の国際大会「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」のグループBオープニングラウンド第2戦・台湾対ドミニカ共和国が台北ドームで行なわれ、地元の圧倒的な声援を受けた台湾が2対1で勝利を収めて2連勝。同グループ暫定首位に立ち、次戦(16日)はいよいよ侍ジャパンと直接対決する。
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 まさに地鳴りのような熱烈な声援が選手たちを後押しした。台湾の選手がシングルヒットや簡単な併殺打で相手を打ち取ると、観客は総立ちでバルーンやメガホンを叩きながら拍手を送る。さらに一塁側と三塁側のステージには台湾のチアガールが上がり一糸乱れぬキレキレのダンスで盛り立て、ときにはDJのように煽ってさらなる声援をファンに呼びかける。彼女たちの存在は台湾の応援スタイルに欠かせず、回を重ねるごとにボルテージが上がる異様な盛り上がりは日本のプロ野球の応援とはひと味違う、台湾野球の特徴がすべて詰まっているかのようなシーンだった。

 試合は3回に台湾が先制ソロホームランを放ち、先発のファン・ズーポンが6回までノーヒットに抑えるパーフェクト投球で無失点。1点リードの痺れる展開のまま、8回に台湾が犠牲フライで貴重な1点をもぎとると、割れんばかりの大歓声が上がった。9回は一打同点の大ピンチを迎えたが、この場面でもファンの熱量が選手に力を与える。5番手ウー・ジュンウェイが最後は空振り三振に斬ってとり勝利を掴むと、観客は総立ちで台北ドームは熱狂に包まれた。
 
 16日に台湾と対戦する侍ジャパンにとっては、まさに"完全アウェー"が予想される。台湾の異様な応援スタイルは日本にどのような影響を与えるのか。台北に拠点を置くテレビ放送会社『中國電視公司』の記者である鍾承良さんに話を聞くと、初戦のキューバ戦に続くこの勝利は、「台湾にとって非常に大きい」と強調する。そして、最大の山場となる日本戦について質問すると、「日本が勝つと思いますよ」と笑いながら話した。
 
 同記者はまだまだ侍ジャパンとの差を認めつつも、「ちょっとね。接戦にはなると思いますよ」と予想。最後は互いにグータッチを交わし、健闘を誓うと「明日(15日)の韓国戦は日本が勝ちますよ。日本はとても強いから」と心強いエールまで頂いた。

 試合を終えると、台湾のチアガールたちがグラウンド上で記念撮影に応じファンの声援に笑顔で手を振ったり、外に出ると地元のファンと球場を背にツーショットに収まる神対応まで振る舞っていた。また、近場のお店で祝杯を上げる姿は日本の野球ファンと変わらない風景で、野球が台湾にとって欠かせない存在として根付いているシーンだとも思えた。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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