プロ野球

【DeNA】ポストシーズン不在の悔しさに戸柱への想い…「それがまた来年に生きる」“求道者”山本祐大が切り開く未来

萩原孝弘

2024.11.20

今季は開幕からレギュラーとして活躍した山本だが、シーズン終盤に無念の負傷離脱となった。写真:萩原孝弘

☆不在のポストシーズン

 23年後半にブレイクを果たし、今シーズンは開幕から正捕手の座を奪取した。オールスターではセ・リーグの捕手で56万2807もの票を集めトップ選出。山本祐大は今季、一気にスターダムの道へと登っていった。

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 シーズンを振り返って「ここまで試合に出られたのは今年が初めてですし、そういった面ではすごくいいシーズンでした」と頷いた。同時に「やっぱ終わりが悪いんで。後味的にはすごく自分の中で悔しいのが残ってるんで…」と忸怩たる思いも吐露した。

 本来ならクライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズと活躍を続けた先に、あるいはプレミア12への出場の可能性もあったのかもしれない。

 中心選手として攻守ともに貢献していたが、激しいペナントレースの最中の9月15日、右手首に死球を受け骨折。チームは扇の要を失いながらも、ベテランの戸柱恭孝を中心にその穴をカバーし、3位でリーグ戦をフィニッシュした。さらに敵地でのクライマックスシリーズを勝ち抜き、ついにはパ・リーグの絶対王者・ソフトバンクを倒して日本一の座を手にした。

 自分がいない中での栄冠。またライバルでもある戸柱はCSでMVPと輝きをみせた。そのことに「出れないことの悔しさはありました」とプレーヤーとしての心中を素直に告白。しかし「トバさんが出ていて、なんで俺じゃないんだ、みたいな悔しさは全くなかったです。もう納得でした」と言い切った。

 それには「みんなも言ってますけど、やっぱり練習は裏切らないんだなって。本当に朝からトレーニングして、バッティングしてというのを毎日欠かさずにやってましたし」とし「ライバルですけど、 僕にもすごいいいアドバイスをくれるんです。僕が分かんなくなった時、トバさんはすごく気にしてくれていて。頼りがいがある先輩なので、 僕的にはすごく嬉しいなって。ほんとにそういう人が活躍できるようになってるんだなって、僕も思えました」と自分に厳しいながらも、ライバルには優しい、そんな先輩キャッチャーの躍動を、シンプルに喜べる理由があった。
 
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「怪我する前よりレベルアップして帰りたい」