侍ジャパン

侍Jを撃破した台湾の“罰金覚悟”のエース温存策を韓国メディアが称賛「ルール内で優勝勝ち取るため全力尽くし、上手くいく」【プレミア12】

THE DIGEST編集部

2024.11.25

エース温存策が奏功した台湾の曽監督。奇策がズバリはまり、優勝を手にした。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

 野球の国際大会「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」の決勝戦が11月24日、東京ドームで行なわれ、侍ジャパンは台湾に0‐4と完封負けを喫し、台湾が初優勝を飾った。韓国メディア『mydaily』はこの結果を報じるとともに、台湾が前日に講じた"エース温存策"を高く評価した。

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 台湾が歓喜の優勝トロフィーを掴み取った裏には、前日の"予告先発変更"騒動が少なからず関係していた。決勝戦で先発した、MLBアリゾナ・ダイヤモンドバックス傘下3Aの左腕リン・ユーミンは、実は23日の日本戦で先発登板することが決まっていた。しかし、台湾と決勝進出を争っていたライバルのベネズエラがその日のデーゲーム(米国戦)に5-6で敗れたことで、台湾の決勝進出が確定した。ナイトゲームで実施する日本との一戦が消化試合になったことから、台湾は急遽当日の先発投手変更を提案したのだ。

 世界野球ソフトボール連盟(WBSC)の大会規約では、先発投手の変更にはWBSCの承認が必要で、実行された場合には罰金などのペナルティを受けると記載がある(故障などの正当な理由を除く)。日本はWBSCに「スポーツマンシップに反する行為だ」と猛抗議したが、同連盟は投手変更を承認。台湾はエース"温存"のために罰金を支払うとともに、曽豪駒監督が謝罪と釈明の弁を述べた。ちなみに、スーパーラウンド第3戦は日本が9‐6と勝利を収めて、同ラウンド首位が決定した。

 そして決勝は、予想通りエース左腕リン・ユーミンが先発登板。侍ジャパンの戸郷翔征と4回まで投げ合い、ゼロを積み重ねる投手戦の様相を見せていたものの、台湾は5回に戸郷から2本のアーチを放ち、一挙4得点を叩く。結局、この先制点が決勝点となり、台湾の初優勝につながった。

 同メディアは前日の予告先発投手変更の件について、「巧妙な手口が問題視され、日本のマスコミが大々的に批判した。監督は公開謝罪をし、先発投手の故意交代による罰金まで払った」と経緯を説明。「策略とはいえ、台湾はルール内で優勝を勝ち取るために全力を尽くした。そして、台湾のゲームプランが上手くいった」と奇策がズバリはまったと評価。「大番狂わせの主人公」と評し、勝利に貪欲な台湾の姿勢を称賛した。

 韓国をはじめアメリカ、キューバといった強豪国を倒し、大一番では『世界最強』とも目される侍ジャパンの国際大会28連勝を阻止した台湾。日本国内からは温存策に賛否が上がったものの、その実力と勝利への思いは栄冠をつかむに値するものだった。

構成●THE DIGEST編集部

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