突然の新ルール提案が物議を醸している。
現地12月3日、米メディアの『Sports Illustrated』や『CLUCH POINT』が報じたのが、MLBコミッショナーであるロブ・マンフレッド氏の談話だ。検討中と明かしたのは新ルール「ゴールデン・アットバット」で、1試合に一度、打順に関係なく“任意の打者”を打席に送ることができるという斬新なアイデア。さっそくファンやメディアからは懐疑的な意見が殺到した。
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一方で選手の間では賛否両論が渦巻いているようだ。クリスチャン・イェリッチ(ミルウォーキー・ブルワーズ)が「それはちょっとクールだろうね。ファン向けにより面白くするための盛り上がりを追加したり、エンターテインメント性を高く保ったりするためには大賛成だ」とポジティブに受け止めた一方で、先のワールドシリーズでMVPに輝いたフレディ・フリーマン(ロサンゼルス・ドジャース)は「いや、いや、いや。僕は若い頃からの野球、純粋な野球が好きなんだ。だから、僕はノーにするよ」ときっぱり言い切った。
そんななか、伝説の名投手もSNS上で私見を述べた。MLB通算354勝をマークし、歴代最多となる7度のサイ・ヤング賞を誇るロジャー・クレメンス氏だ。現地3日に自身のXを更新し、新ルールに関して苦言を呈した。
62歳のスーパーレジェンドは「あくまでも仮定の話なんだけど...」と前置きしたうえで、「無死満塁でオオタニ(大谷翔平)を打席に迎えたとしよう。そして彼から三振を奪う。すると彼ら(ドジャース)はこのルールを使って彼を打席に残らせる。で、私はまたオオタニと勝負しなければいけないのか?」と疑問を投げかけた。そのうえで「まったくもって現実的じゃないよ」と吐き捨てている。
米スポーツ局『ESPN』のジェフ・パッサン記者は「野球の本質や本来あるべき姿を奪ったりする必要はない。今の形で十分なのに、なぜ人びとはいじりたがるのか理解できない」とポストした。はたして「ゴールデン・アットバット」は今後どのような議論を呼び、実現への可能性を模索していくのだろうか。
構成●THE DIGEST編集部
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