プロ野球

西武などから初の選手派遣…3年目を迎えた「ジャパンウィンターリーグ」は新たな人材発掘の場となるか?

岩国誠

2024.12.08

ジャパンウィンターリーグには、西武からも3名の選手と4名のスタッフが参加した。写真:岩国誠

 WBSCプレミア12が終了し、プロ野球界は本格的なオフシーズンへと突入しているが、レギュラー獲りを狙う選手たちにとっては、このオフの過ごし方が大切だと言えるだろう。

 昨今、球団が期待する若手や伸び悩んでいる選手たちは、各国で開催されているウィンターリーグに派遣されることが当たり前のようになっているが、日本国内にもウィンターリーグがあることはご存知だろうか。
 
 今年で3年目を迎える日本初のウィンターリーグ「ジャパンウィンターリーグ」に、今年初めて日本野球の最高峰、NPB球団から選手が派遣されることになったのだ。

 今回、同リーグには、埼玉西武ライオンズ、東北楽天ゴールデンイーグルス、横浜DeNAベイスターズの3球団が選手を派遣するが、その中で真っ先に選手派遣を表明したのが、近年三軍制を本格的に導入するなど、選手育成に力を入れている西武だった。

「選手を成長させていくためには、チームにはまだまだ足りない部分があるという危機感を感じていました。その中で育成のライオンズを取り戻すために、我々自身がこういう場所を求めていたタイミングだったんです」

 6月の取材でそう答えていたのは、西武・広池浩司球団副本部長(当時)。現地での取り組みを自分の眼で見て、その空気を肌で感じ、すぐに球団へ選手派遣を進言したという。

「海外のウィンターリーグも視察していますが、沖縄でのウィンターリーグは三軍選手の派遣に向いていると感じました。彼らが多くの成功体験や失敗を積み重ねて、来年につながる技術を身につけてほしいと思っています」

 広池氏や西武球団が選手派遣を決めたジャパンウィンターリーグ。それは一体、どんな場所なのだろうか。


「陽の目を見ない場所に光を、そして野球界の登竜門を沖縄に」をコンセプトに、国内外へのトライアウトリーグとして2022年から始まったジャパンウィンターリーグ。野球のオフシーズンとなる11月下旬から、冬でも温暖な沖縄の地で1か月間のリーグ戦をこれまで2回行なってきた。

 去年は国内外から101名の選手が参加し、NPBやMLBをはじめとする40球団の関係者が視察に訪れ、27名の選手が独立リーグの球団と契約を勝ち取った。

 リーグには、大きく分けて2つの目的を持つ選手たちが集まってくる。ひとつは自らの意志で参加費を支払い、各球団のスカウトたちへ自らの力をアピールして新たな契約を勝ち取る「トライアウト」と呼ばれるグループ。もう一つは、リーグと提携する一般企業の硬式野球部や独立リーグ球団などの所属球団で、出場機会の少ない選手たちが実戦経験を積むために派遣されてくる「アドバンス」と呼ばれるグループだ。

 トライアウト組は日本の独立リーグ出身選手や学生だけでなく、イギリス、フランス、ドイツなど日本に比べて野球が盛んとは言えない国を含めた10か国から、日本や海外リーグでのプレー機会を求めて、沖縄のグラウンドで汗を流した。母国では野球環境に飢えている彼らと、トヨタ自動車やHONDAなど社会人野球のエリートたちが、立場や国籍も関係なく、同じチームでプレーするのだ。
 
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