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“球団に不満を持っているファンTOP10”1位にエンジェルス! 「街の反対側でプレーする大谷翔平の姿を見なければいけない」「オーナーの干渉が主因」

THE DIGEST編集部

2024.12.25

10年連続でプレーオフを逃しているエンジェルス。米記者は一貫性のないオーナーのモレノ(右)が原因と強調した。(C)Getty Images

 ロサンゼルス・エンジェルスが不名誉な称号を得てしまった。米放送局『ESPN』のデビッド・ショーンフィールド記者が現地12月23日、"球団に不満を持っているファン"というランキングを公開。1位にエンジェルスを選出した。

 ランキングの根拠は、「球界における給与格差」「資金をチーム強化に投じないオーナー」「フロントがチームに必要な改善措置を講じていない」の3点。このような視点で昨オフの補強動向、2024年のチームパフォーマンス、そして今オフの補強動向をチェックしてTOP10を選出した。

「エンジェルスはかつて模範的な球団だった。2002年から09年までの8シーズンで6度のプレーオフ進出を果たし、14年の98勝を含む多くのシーズンで勝利を重ねた。しかし、近年は誤った判断、誤った行動、誤った選手育成を行ない、多くの敗北を喫している」

 エンジェルスは2014年を最後にプレーオフに進出していない。マイク・トラウトと大谷翔平を擁しても達成できなかった。

「2024年は球団ワーストの99敗で、9年連続の負け越し。トラウトと大谷の時代を無駄にしてしまった。オーナーのアート・モレノやフロントオフィスから一貫したプランが出てくることはほとんどなく、モレノの干渉が10年連続でプレーオフを逃す主因となっている」

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 そんなエンジェルスは、今オフに積極的に補強に動いた。菊池雄星投手、カイル・ヘンドリクス投手、トラビス・ダーノー捕手、ホルヘ・ソレア外野手らと次々と契約している。それでもショーンフィールド記者は評価しなかった。

「菊池は24年にヒューストン・アストロズで素晴らしい投球を見せたが、WAR(勝利の貢献度。2.0でレギュラー級、5.0でオールスター級、8.0でMVP級)で2.0を達成したことは一度もない。また、ソレアをフルタイムのDHで起用するなら、トラウトを外野で起用しなければいけない。怪我が多いトラウトのDHコンバート案があるにもかかわらずだ。言い換えれば選手を寄せ集めたに過ぎず、近年の失敗したシーズンのパターンを繰り返している」

 球団としての一貫性のなさが、エンジェルスの勝てない理由だという。

「ロサンゼルス・ドジャースの成功とはまったく対照的だ。かつてのエンジェルスは、ロサンゼルス地域の大規模なファン層を取り込んでいた。実際、12年にグッゲンハイム・グループがドジャースを買収するまで、混乱していたのはドジャースのほうだった。十数年前を機に、エンジェルスとドジャースの組織は成功と失敗に分岐した。エンジェルスはMLB球団で最も長い干ばつ状態(10年連続ポストシーズン逸は現MLB最長)にある」

 近場のライバル球団、ドジャースは12年連続でポストシーズンに進出し、24年にはワールドシリーズを制した。

「エンジェルスのファンは、街の反対側でプレーする大谷の姿を見なければいけない。この点で、エンジェルスのファンはMLBで最も不満を感じていると言えるだろう」

 エンジェルス在籍6年で一度もプレーオフに進めなかった大谷は、ドジャース1年目で初めてポストシーズンに挑んでワールドシリーズを制覇。その姿を古巣エンジェルスのファンは見届けた。

 はたして菊池らを補強したエンジェルスは、25年シーズンに好成績を残せるだろうか。

 また、ランキングの2位以下は、マリナーズ、ホワイトソックス、ツインズ、ブルージェイズ、パイレーツ、カブス、ロッキーズ、カーディナルス、マーリンズの順だった(本拠地移転のアスレティックスは除外)。

構成●THE DIGEST編集部

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