日本が世界に誇る安打製造機が偉業を成し遂げた。

　2025年度の米野球殿堂入りが現地１月21日（日本時間22日）に発表され、オリックスやシアトル・マリナーズなどで活躍し、日米通算4367安打をマークしたイチロー氏（マリナーズ会長付き特別補佐兼インストラクター）が日本人選手初となる米殿堂入りを果たした。注目の得票率は99.7%で野手史上初の満票選出はならなかった。

　稀代のヒットマンがタイ・カップ、ベーブ・ルースといったレジェンドの仲間入りを果たした。BBWAA（全米野球記者協会）に所属する記者による投票結果で、メジャー通算3089安打を放ったイチロー氏が有資格１年目で殿堂入りを決めた。
  　オリックスで７年連続首位打者に君臨したイチロー氏は2000年オフにポスティングシステムを使用してマリナーズに移籍。メジャー１年目から打率.350、242安打、56盗塁を記録してオールスターにも出場し、首位打者、盗塁王、新人王、ア・リーグMVPなどのタイトルを獲得する衝撃的なデビューシーズンを過ごした。特に04年は、「不滅の記録」と言われたジョージ・シスラー（1920年）が持つシーズン歴代最多257安打を上回る262安打を放ち、米球界の歴史に金字塔を刻んだ。

　MLBで10年連続200本安打など数々の輝かしい記録を残してきたイチロー氏は計19年間プレー。2019年に東京ドームで行なわれたオークランド・アスレティックス（現アスレティックス）との開幕戦で現役引退を表明し、ユニホームを脱いだ。

　米野球殿堂入りの選出方法はメジャーで10年以上プレーし、引退から５年経過した選手が対象。全米野球記者協会に10年以上在籍する記者が最多10人を連記する投票で、75％以上の得票で選出される。得票率５％未満は翌年から候補を外れ、5～74％の候補も10回目までに75％に届かなかった場合、候補から外れる。日本選手では過去、14年に野茂英雄氏、18年に松井秀喜氏が候補入りしたが５％に満たなかった。

　イチロー氏は去る１月16日に日本の野球殿堂にも選ばれており、今回の殿堂入りで日米ダブル選出という前人未到の快挙を果たした。

構成●THE DIGEST編集部

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