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検察の求刑4年9か月に、水原一平被告は禁固1年6か月を主張「依存」「中毒」「うつ」「精神的ストレス」2月6日に下される判決のポイント、米メディアが説明

THE DIGEST編集部

2025.01.25

銀行詐欺罪などに問われている水原被告の判決は、現地2月6日に言い渡される予定だ。(C)Getty Images

銀行詐欺罪などに問われている水原被告の判決は、現地2月6日に言い渡される予定だ。(C)Getty Images

 ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平の元通訳で、銀行詐欺罪などに問われている水原一平被告が現地1月23日、カリフォルニア州オレンジ郡のジョン・W・ホルコム連邦地方判事に、懲役に関する意見書を提出した。

 米スポーツビジネスメディア『Sportico』によると、連邦検察側は「懲役4年9か月、保護観察3年、大谷への賠償金1698万ドル(約26億4900万円)、IRS(内国歳入庁=日本の国税庁にあたる)に115万ドル(約1億7900万円)の支払いを求刑したが、水原被告のマイケル・G・フリードマン弁護士は懲役1年6か月と主張している」と報じた。

 検察側は、「より長期の刑罰を求める根拠として、水原被告は大谷(の銀行口座)から窃盗を繰り返していた」点を強調。「計画の全容は何年もかけて練られていた」ものであって、「単発の事件」ではないとしている。

 水原被告が主張する「ギャンブル依存症の被害者」という意見を弱めるため、検察は「被告は悪意を持って行動した」と描写。「実際に賭けに勝っても、大谷の口座に入金せず、自身の口座に入金するよう指示し、水原被告に返済する意思はなかった。こうした行為は、被告の犯罪が依存症によるものではなく、自身の貪欲さを浮き彫りにした」と主張している。

 さらに検察側は、「水原被告がギャンブル依存症だったとしても、大谷のデビットカードを使って、ギャンブルとは無関係の個人的な出費(歯の治療費や野球カードの購入)を行なったことを説明することはできない」と指摘した。

【動画】水原被告が大谷になりすまし、銀行員と電話をした際の音声データ
 
 そして長期の懲役刑を求める大きな理由として、長年にわたって連れ添った元通訳の犯行という社会的インパクトの大きさを挙げた。水原被告の賭博スキャンダルは発覚当初、「大谷が違法賭博をしているのではないか。大谷が通訳をスケープゴートにしたのではないか」と疑われた。

 MLBでは過去に1919年のブラックソックス八百長事件や、1989年にピート・ローズが永久追放となった野球賭博事件が発覚。結果的に大谷は賭博に関与していなかったが、検察側は、「水原被告の行為は、大谷の最大の資産ともいうべき、評判と信用を傷つけた」と強調している。

 同メディアは一方で、水原被告は意見書で自身の犯罪行為を隠していないと記載。「犯行は、むしろ深刻なギャンブル依存症や、“高校時代に初恋の相手を失った時に始まったかもしれない”うつ病など、ほかの要因から生じたもの」としている。

「意見書で水原被告は、10代からギャンブルへの依存と中毒に苦しんでいたと言及。また通訳として大谷が有名になるにつれ、“注目度の高い世界にさらされた”ことで精神的ストレスが悪化し、ギャンブル依存症や中毒が悪化した。医療専門家の証言と所見を盛り込んだ意見書は、水原がうつ病に苦しんでいることも強調している。こうした要因で刑期が短くなることがある」

 北海道苫小牧市出身の水原被告は、父親の仕事の関係で、6歳でロサンゼルスに移住。ただ、永住者であるものの米国市民ではないため、刑期終了後に日本に強制送還されることが確実視されている。水原被告に対する判決は現地2月6日に言い渡される。

構成●THE DIGEST編集部

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