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「本当に試合を良くできるのか?」ベテラン右腕シャーザーが“ロボット審判”体験で不満を吐露…判定基準の概念崩壊を訴え「人間にジャッジしてもらえばいいだろ」

THE DIGEST編集部

2025.02.27

ブルージェイズ右腕シャーザー。ロボット審判の判定に対して不満を口にした。(C) Getty Images

 初導入もやはり異論が噴出しているようだ。

 MLBの今季のオープン戦において、ロボット審判による「自動ボール・ストライク判定システム(ABS)」の試験的な運用として、「自動ボール・ストライクチャレンジ制度」が試されている。試合の中で各チームに2度のチャレンジ権が与えられ、球審のジャッジに対し、打者・投手・捕手の何れかがチャレンジを行ない、ロボット審判の判定に委ねるという流れだ。
【動画】ブルージェイズ右腕シャーザーの25日・カ軍戦のピッチング!

 実際にこのシステムの下でプレーしたベテランの声が米スポーツサイト『FANSIDED』で紹介されている。今季よりトロント・ブルージェイズ所属となったマックス・シャーザーが2月25日、セントルイス・カーディナルス戦で今季オープン戦初登板。ゲーム後のコメントを伝えている。

 同メディアによるとこの日、先発し2イニングを投げたシャーザーは無失点で終えたものの、2度のチャレンジを体験。初回にラーズ・ヌートバーからのチャレンジでストライク判定がボールに。続く2回では、シャーザーが自身の投球のボール判定に対しチャレンジしたものの覆らなかった。

 その後、シャーザーは米メディア『The Athletic』を通じて、「このシステムにはちょっと懐疑的だね」と印象を語っており、「何を目指しているのかは理解しているけど、MLBの審判は本当に、ものすごく優秀なんだ。じゃあ何を変えようとしているんだ?」と打ち明けたという。
 
 他にも「本当に試合を良くできるのか? 審判の質がそこまで悪いとは思えない」と問いかけ、際どいコースの判定や投手と審判の関係性など、これまでの"人と人"の間のみに存在していた判断基準が意味を成さなくなるとして、「このロボットの世界になったらどうなる?『ストライクゾーンはレーザーで測るんだから、制球力なんか関係ない』ってことになるんだろ?」とも主張。

 さらに、「普通に野球やろうぜ、俺たちは人間なんだから、人間にジャッジしてもらえばいいだろ? 本当にゲームをぶち壊す必要があるのか? 俺たちは人間に評価されるべきなんだよ」として、新システムについての不満の声を並べた。

 また米スポーツサイト『FANSIDED』では、キャリア18年目を迎えるシャーザーを「オールドスクール(昔気質の投手)」と評しながら、「予想通り、シャーザーとロボットの共存は波乱含みの展開だ」などと論じている。

 公式戦でのABS正式導入時期は未決定となっているものの、レジェンド右腕と同様の"叫び"が今後も、各方面から聞こえてくることは間違いないだろう。

構成●THE DIGEST編集部

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