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【玉木正之のベースボール今昔物語:第13回】メジャーで球場が最も美しく見える客席は……リグリー・フィールドの外にあるビルの屋上だ!<SLUGGER>

玉木正之

2025.06.10

“リグリー・ルーフトップ”の様子。遠目で見ると球場の客席とほぼ一体化して見える。(C)Getty Images

“リグリー・ルーフトップ”の様子。遠目で見ると球場の客席とほぼ一体化して見える。(C)Getty Images

 このコラムではこれまで、ニューヨーク・マンハッタンのセントラル・パークで行われていた草野球(『マンハッタン・レストラン・リーグ』)の素晴らしさや、マイナー・リーグのセントポール・セインツの試合の面白さなどを書いてきた。

 だが、「一番美しいボールパークは?」と訊かれたら、私は迷いなく「シカゴ・カブスのホーム球場リグリー・フィールドだ!」と答えたい。

 MLBファンなら誰もが知っている外野フェンスの蔦の美しさも素晴らしいが、それ以上に私が「スゴイ!」と驚嘆し、あまりの美しさに茫然と立ち尽くしてしまったのは、球場ライトスタンドのさらに外側にある古いビルの屋上へ行った時のことだった。
 
 そこは7階建てのビルの屋上で、通称“リグリー・ルーフトップ”(リグリーの屋上)と呼ばれている場所だった。しかもその時はデーゲームで、初夏の北米の太陽が優しく輝いている夕方。目の前には美しい外野の芝生が広がっていた。さらに広い球場の奥には内野席を囲むスタンドの屋根があり、頭を少し右にひねると、レフトスタンドへと続く湾曲した外野フェンスに、びっしりと生え揃った緑の蔦が美しくつながっていた。

 こんなに美しい野球場の風景を見たのは初めてだった。

 真夏の甲子園球場のアルプススタンド上段に座り、ナイターの試合が始まる時に、徐々に薄青かった空が暗くなり、カクテル光線の照明が灯されるときの美しさも、浜風の潮の香りとともに知っているつもりでいた。

 が、リグリー・フィールドの“ルーフトップ”から見たデーゲームの緑の美しさは(甲子園には少々失礼になるうえ、メジャー全球場に足を運んだわけではないのだが)、今も断然「世界一だ!」と確信している。
 

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