現地７月15日、アトランタで行なわれた米オールスターの主役になったのは、フィラデルフィア・フィリーズの長距離砲カイル・シュワーバーだった。

　９回を終えて６対６。勝敗は延長戦ではなく特別のルールのホームランダービーに持ち越された。両軍３人が交互に３スイングし、本塁打の多いチームが勝利の特別ルールだ。

　ア・リーグの１人目ブレント・ルッカー（アスレティックス）が２本を放ち、ナ・リーグの１人目カイル・ストワーズ（マーリンズ）は１本のアーチ。

　ア・リーグの２人目ランディ・アロザレーナ（マリナーズ）が１本塁打を放つと、打席にはナ・リーグの２人目カイル・シュワーバーが入った。１本対３本とビハインドのなか、フィリーズの大砲が３スイングで３本の本塁打を放ち、４本対３本と一気に逆転したのだ。

　後がないア・リーグだったが、３人目ジョナサン・アランダ（レイズ）が０本に終わって試合は決着。ナ・リーグの３人目ピート・アロンソ（メッツ）が打席に立つことなく、ナ・リーグの勝利が決定した（公式記録は７対６）。

『MLB.com』によるとMVPに輝いたシュワーバーは、「MVPにもっとふさわしい選手はたくさんいる」と話しながら、「ナ・リーグの勝利に貢献できてうれしいし、この賞をフィラデルフィアに持ち帰ることができてハッピーだ」と語った。

　大谷翔平に代わって「１番・DH」として途中出場。５回の第１打席で中飛、７回の第２打席は四球、９回の第３打席は三直に終わっていたシュワーバーは、「９回の打席でバットが折れたから、（特別ルールのホームランダービーでは）新しいバットを持って順番を待っていた」と語り、2018年と22年に出場したオールスター前日のホームランダービーとの比較を問われると、「（３スイングしかできないのは）明らかに違う」と振り返った。

【動画】３スイングで３本塁打！ 選手、観衆、球場全体が大熱狂したシュワーバーの雄姿
  「２本打って（３人目の）アロンソに回そうと思っていたんだ。でも、すぐ２本を打つことができて、３本目もうまく成功した。３本目はベストショットではなかったけど、十分（スタンドに）届くと思った。ただひたすら祈っていたよ。『いけ、いけ、いけ』ってね。そしたらスタンドインだ。最高の気分だった」

　ナ・リーグの選手がベンチ前で大喜びし、スタンドの観衆も大きな盛り上がりを見せたシュワーバーの“３発”に米ファンも大熱狂。「映画のような結末」「なんてゲームだ」「シュワーバーの完璧なスイング」「ホームランダービーのアイデアは素晴らしい」「球場にいけばよかった」「楽しい最高のエンディングだった」「正直、かなり楽しかった」などと、オールスターを存分に楽しんだ。

構成●THE DIGEST編集部

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