DeNAは18日、藤浪晋太郎の入団発表記者会見を行なった。

　大阪桐蔭で甲子園を沸かせ、鳴り物入りで阪神にドラフト１位で入団。３年で35勝を挙げるなど順風満帆なプロ生活から一転、４年目からは期待に応えられない日々を過ごしたこともあり、23年には活躍の場をアメリカに移した。初年度はメジャーで７勝をマークしたが、その後はマイナーで苦心。６月17日にマリナーズ傘下の３A球団からリリースされ、再びNPBに復帰となった。

  　常務取締役チーム統括本部・萩原龍大本部長は「春先から外国人のピッチャーの補強にチャレンジしていたのですけれども、検討していく中で外国人に限らずウチのポジションで活躍してもらえる選手をと考えていました。その中で藤浪選手が自由契約になったということで、元々リストに入っておりましたので獲得に行きました」と前々から藤浪をマークしていたと告白。そのうえで「もちろん先発もリリーフも両方こなせる選手だと思っております。いま入江(大生)選手、(ローワン)ウィック選手も欠けていると思っておりますので、基本は長く投げていただきたいと思いますけれども、状況に応じていろんなポジションをこなして、どこでも行ってもらいたいなと期待しております」と勝ちパターンや先発など、臨機応変に役目を果たしてもらいたいと希望した。

　藤浪本人は「話をいただいた中で、一番熱を持ってと言いますか、本当に藤浪晋太郎っていう選手が必要なんだってお言葉をたくさんいただいたので、その情熱に応えたいなと思ってベイスターズさんにお世話になることにいたしました」と入団を決意した経緯を説明。「先ほど球団の方々ともお話させていただいた中で、まだまだ本気で逆転優勝を狙ってるっていうお言葉いただいたので、少しでも貢献できるように、本気で優勝を目指して、そこのひとつのピースになれるように頑張っていきたいなと思います」と球団の熱を形に変えるとの目標を掲げた。

　アメリカでは「まずチャレンジして、違う環境、違う文化に飛び込んだっていうところで、すごいたくさんの経験をさせてもらいました。野球のものの捉え方とか、考え方もたくさん学ぶことがあったので、すごく勉強になってます」と異国で成長できたと胸を張る。

　また日本球界復帰には「心機一転頑張ろうと思っていますし、少しでもチームに貢献できたらというのが率直な思いです」とフォア・ザ・チームが第一と強調した。「数字でまず貢献したいですし、数字以外でも年齢的にも31っていうところなので、自分より若い選手も多いと思いますし、そういう選手に背中や態度で見せたいです。そういうところでも貢献できればいいかなと思っています」と具体案も口にした。

　古巣の阪神からのオファーは「なかったです」と明かしつつ、対戦には「やっぱり楽しみです。３年前まで味方だった選手が敵になるわけですけども、それはそれで楽しみですし、もちろん全力で抑えていきたいなと思います。ブーイングだけされなければいいなぐらいな感じですね」とニヤリ。また「記者の方から言付けで糸原選手から『シンタロウ、俺に連絡ないけど、俺引退されたと思われてるのかな』っていう話があったので、この会見終わってから電話して『すいません、引退したと思ってました』と言います」と大阪人らしくジョークを重ねていた。

　これから本拠地となる横浜スタジアムは「好きな球場です。敵味方に関わらず、雰囲気がすごい好きな球場です。初ヒットもおそらく横浜スタジアムだと思いますし、1000奪三振もそうだったんじゃなんじゃないかな」と正確に記憶。また初打点に満塁ホームランもマークしていることに「打つことも走ることも一生懸命に取り組みたいと思います」とし「自分、野球が好きなので」と結んだ。

　逆転優勝へ向け、貴重なピースを手に入れたDeNA。首位をひた走る虎の尾を、メジャー帰りのビッグネームが捕まえ、引きずり下ろす。

取材・文●萩原孝弘
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