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プロ野球

【世代別で見るプロ野球】「90、94世代」は層が薄い?浅村栄斗や大谷翔平、鈴木誠也に続くのは…

氏原英明

2020.03.31

 94世代の高校3年時の甲子園は2012年、大阪桐蔭が最初に春夏連覇を達成した年だ。

 春のセンバツ1回戦では“ナニワのダルビッシュ”こと藤浪晋太郎(現・阪神)率いる大阪桐蔭と、“みちのくのダルビッシュ”こと大谷翔平(現ロサンゼルス・エンジェルス)率いる花巻東が直接対決。運命の一戦とまで騒がれたほどだった。ただ、藤浪と名勝負を演じたのは、春夏ともに決勝戦を戦った光星学院のスラッガー、北條史也(現・阪神)、田村龍弘(現・ロッテ)の2人である。

 まばゆい光を残した藤浪と大谷はプロ1年目から活躍。藤浪は3年連続2ケタ勝利を挙げ、3年目には奪三振王に輝いた。大谷も二刀流プレーヤーとして常にスポットライトを浴び続け、16年にはMVPを受賞。現在はメジャーの舞台で活躍を見せている。
 
 また、ここ数年、藤浪が足踏みが続いているのと対照的に、甲子園未経験のスラッガー、鈴木誠也(広島)が一気に台頭。17年と19年はOPSリーグ1位、昨年は初の首位打者に輝き、今や侍ジャパンの4番に座るまでになるなど、大谷と並んで“世代の顔”になった。

 もっとも、高卒ドラフト組ではこの3人がトップ級の成績を残し、田村、北條もレギュラークラスに成長したものの、続く選手は出ていないのが現状だ。

 大学経由では、2016年ドラフトで5球団が競合した田中正義(ソフトバンク)が最も注目を集めたものの、大谷&藤浪と並ぶ「高校BIG3」として騒がれた濱田達郎(中日)と同じく故障で結果を残せておらず、むしろ活躍を見せたのは「外れ外れ1位の」濱口遥大(DeNA)と「一本釣り」の柳裕也(中日)だった。

 大卒野手では、好守の遊撃手・京田陽太(中日)、虎の4番・大山悠輔(阪神)が台頭し、高卒社会人組の西川龍馬(広島)も存在感を発揮。昨年は近本光司(阪神)がセ・リーグ新人最多安打を記録するなど、楽しみな選手が出つつある。

 大谷がメジャーに移籍し、鈴木も近いうちに海を渡るだろう。その中で、大谷や鈴木らの地位を脅かす存在が出てくるのか。

 94世代の“逆襲”に期待したい。

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。

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