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プロ野球

【今週のセ・リーグ】本塁打、安打、防御率のタイトル争いが熾烈!“味方”を助けられるチームはどこ?

氏原英明

2020.10.20

●ヤクルトー巨人
(20~21日/神宮球場)


 前回登板で「13」で連勝がストップした巨人のエース・菅野智之。ローテーションを再編するという情報もあるが、そのままの登板なら、大事な一戦になることは間違いない。このままズルズルと行きたくないはずである。
 
 菅野が敗れた広島戦は6回を投げて自責点3。QS(6イニング以上を投げて自責点3以下)を達成したものの、タイトル争いという点では、これは決して好投とは言えなかった。防御率が1.89→2.02と悪化し、完封勝利を挙げた中日・大野雄大(2.07→1.92)に抜かれてしまったのだ。すぐ後ろには、阪神・西勇輝(2.03)も控えており、ほぼ確実としている優勝とは別に、こちらは1点が命取りになる。

 今節対戦することが濃厚な対ヤクルトは3戦2勝だが、防御率は3.66とやや苦労している。しかも、神宮球場では4.97と相性が悪く、昨年4月には“平成最後”の三者連続アーチを食らったことも記憶に新しい。ここで連敗するのは避けたいところだし、防御率をあげるわけにはいかないのである。
 
◎その他の注目カード
 注目は巨人―阪神戦。実は巨人は先週1勝しかしていないのだが、どんどん周りがこけていくからマジックは減っている。前半節の成績次第だが、この節で巨人のリーグ制覇が決まるかもしれない。

 本拠地での開催だけに、巨人としてはここで胴上げを果たしたいだろう。東京ドームでの対阪神戦は8勝1敗と大きく勝ち越しているだけに期待は高い。金曜日の阪神先発はここまで4戦0勝3敗、防御率1.47と苦戦している西だから全勝は厳しいかもしれないが、残り2つのどちらかで優勝が決めたい

 新人王争いは広島・森下暢仁、巨人・戸郷翔征がともに8勝で並んでいる。内容面は森下がほぼすべての項目でリードしているだけに、戸郷としては先に10勝を挙げて印象面を強くしたいはず。雨天中止の関係で、前半週に戸郷が回る可能性がある。先に登板して、森下にプレッシャーをかけたい。

 森下は今節・DeNA戦に登板予定だ。実は唯一、リーグで勝利を挙げていない相手で、対戦防御率は3.66と他チームよりは苦しんでいる印象。ただ、横浜スタジアムではまだ1点も取られていないため、賞レース争いをリードできるだろうか。

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。
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