専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
プロ野球

序盤のミスと終盤の巻き返し。開幕スタメンに抜擢された太田と紅林に見たオリックスの“光明”

氏原英明

2021.03.27

 過去5年で3度最下位に沈んだオリックスは、今季を浮上の足掛かりとするシーズンと位置付けているはずだ。その矢先の開幕戦で若手にミスが出たことは、見る人によっては「今年のオリックスはまた弱い」と思ったかもしれない。しかし、これまでのオリックスは、若手の成長を待てなかったからこそ低迷してきた。だからこそ、今季は我慢が必要になる。

 話を開幕戦に戻そう。3回までに4点のビハインドを背負ったオリックス打線は、終盤に反撃を見せた。6回に吉田、7回に頓宮がそれぞれ本塁打を放って2点差。さらに8回表、他ならぬ紅林と太田に安打が出て好機を作ったことが3点目につながった。ミスをした2人が意地を見せたのは、翌日の試合は当然のこと、今年一年、いや、未来のオリックスにつながるはずだ。
 
 主力で固めた“現実路線”のオーダーを組んだ西武と、「いずれはこういう主力で戦いたい」というビジョンのもと、“ロマン路線”で挑んだオリックス。

 開幕戦は西武が勝利し、結果的には辻監督の美学が正しかったということになる。だが、シーズンはまだまだ続く。中嶋監督がこれからもスタメンに太田や紅林の名前を書き続けることで、状況が一変する時が来るはずだ。

 2人の巻き返しに、ひと筋の光を見た気がする。

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。

【宮崎キャンプPHOTO】オリックス|25年ぶりのリーグ優勝を目指すオリックスのキャンプに密着!
 

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号