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MLB

【2021大谷翔平の軌跡:4月】衝撃の“リアル二刀流”で飛躍を予感させる会心のスタート<SLUGGER>

斎藤庸裕

2021.12.27

 波に乗った二刀流・大谷は一気に加速した。

 二刀流の出場スケジュールは、登板日の前後1日を欠場していた従来の形を撤廃。今季は登板前後もフル出場した。4月21日、登板日翌日に初めて本塁打を放ち、日米通算100号に到達。25日は、今度は登板前日の初ホームランを記録した。二刀流の出場制限が外れ、大谷は存分にフィールドを駆け回った。24日、大敗ムードのアストロズ戦では終盤の8回からメジャーで初めて外野の守備についた。交代要員が足りないチーム事情を理解した上で、DHから守備に就くことを志願した。

 変わったのは二刀流の起用だけではない。技術向上とフィジカル強化の成果も、開幕1ヵ月で表れた。30日のマリナーズ戦。右腕クリス・フレクセンの外角低めのチェンジアップに体勢を崩されながらも、右翼席に運んだ。2年前に手術した左ヒザの不安が消え、下半身を中心に体がさらに一回り大きくなって臨んだ今季。左ヒザの粘りから生まれたスウィングの力強さが、飛距離アップにもつながった。
 
 先発登板した月に月間8本塁打をマークし、二刀流の元祖ベーブ・ルースに並んだ。18年5月20日以来、1072日ぶりの白星を挙げた4月26日のレンジャーズ戦は、1921年のルース以来100年ぶりとなる、本塁打リーグトップの選手による先発登板も記録。歴史的なパフォーマンスが続いた。

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 世紀を超える記録を次々と掘り起こし、ファンが二刀流の再来に沸いた21年シーズン最初の1か月。歴史的なシーズンを予感させる会心のスタートだった。

文●斎藤庸裕

【著者プロフィール】
さいとう・のぶひろ。1983年、埼玉県生まれ。日刊スポーツ新聞社でプロ野球担当記者を務めた後サンディエゴ州立大学でスポーツビジネスを学ぶ。2018年から大谷翔平の担当記者を務める。日刊スポーツでコラム「ノブ斎藤のfrom U.S.A」を配信中。
 
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