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プロ野球

オリックス・椋木は勝利の方程式へ、日本ハム・達とホークス・風間は二軍でじっくり――【ドラ1の目標課題/パ編】<SLUGGER>

西尾典文

2022.01.25

<ソフトバンク>
●風間球打(投手/ノースアジア大明桜高)
【二軍、三軍合わせて10試合先発、50イニング登板】


 昨夏の秋田大会で157キロをマークして注目を集めた高校生右腕。ソフトバンクが近年1位指名した高校生投手は、ともに故障を持ち越してのプロ入りとなった松本裕樹(14年)と高橋純平(15年)、そして抽選を3度外しての1位だった吉住晴斗(17年/退団)がいる。もっとも、彼らと比べても入団時点でのポテンシャル、期待値の高さは風間の方が上だろう。

 チームは育成も含めて25歳前後に多くの投手がひしめいているため、二軍での登板機会はどうしても限られることになりそうだが、なるべく実戦で起用したいところだ。コンディション的に問題がなければ、二軍と三軍で上手く併用しながら、最低でも10試合は先発のマウンドを経験させたい。

<日本ハム>
●達孝太(投手/天理高)
【故障なく1年を過ごし、順調なら終盤に二軍で実戦デビュー】


 日本ハムが単独指名に成功した達だが、同じ高校生投手でドラフト1位の小園健太(DeNA)、風間球打(ソフトバンク)、森木大智(阪神)と比べると身体つきは明らかに細く、将来性を重視しての評価であることは間違いない。また、達の誕生日は3月27日で、実質的には今年高校3年生と考えてもおかしくない。

 そういう意味で、最も近いベンチマークになるのが佐々木朗希(ロッテ)である。佐々木も1年目は一軍に帯同しながら、とにかくトレーニングの日々を送り、結局一度も実戦のマウンドに立つことはなかった。しかし、2年目の終盤には見事に一軍のエース格へと成長し、その資質を発揮しつつある。達もまずは怪我なく一年を過ごすことが重要であり、場合によっては佐々木と同様に、実戦デビューが2年目になるくらいのイメージが妥当だろう。

 
<西武>
●隅田知一郎(投手/西日本工業大)
【一軍で15先発、80イニング、5勝】


 4球団が競合した大学生No.1左腕に期待されるのは1年目からの先発ローテーション入り。とはいえ、いきなり主力として計算するのは危険だろう。リーグ戦では2年春から安定した投球を見せ、4年春には大学選手権でも好投しているが、早川隆久(楽天)の大学4年時と比べると、すべての面で劣るという印象は否めない。

 その早川もいきなり9勝をマークしたものの、終盤はプロの打者を相手にかなり苦しんだことを考えると、年間を通じての活躍を期待するのは荷が重いと言えそうだ。チームに左の先発が圧倒的に不足しているのは隅田にとっても追い風だが、1年目は2位の佐藤隼輔と2人合わせて、昨年の早川を上回ることができれば十分ではないだろうか。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
 
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