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プロ野球

2022年ドラフト指名漏れ選手の進路を調査! 次のチャンスは? 大阪桐蔭の「最強世代」山田健太は“東京六大学スター”が故に名前呼ばれず…

西尾典文

2023.02.28

高校生では大阪桐蔭の川原(左)や九州学院の村上(右)がプロに指名されなかった。(C)THE DIGEST写真部

高校生では大阪桐蔭の川原(左)や九州学院の村上(右)がプロに指名されなかった。(C)THE DIGEST写真部

 高校生ではともにU18侍ジャパンにも選ばれた川原嗣貴(投手・大阪桐蔭→Honda鈴鹿)、海老根優大(外野手・大阪桐蔭→SUBARU)が揃って社会人に進むことが発表された。特に川原はU18W杯でも4試合全て無失点と好投していただけに、指名がなかったことは意外だったが、完成度の高さもあるだけに社会人という選択肢はプラスのように感じる。入社予定のHonda鈴鹿は投手育成に定評のあるチームで、近年でも松本竜也(広島)が高校から入社してプロへ進んでいるだけに、川原も早くから結果を残して3年でのプロ入りを目指したい。

 一方の海老根も早くからオープン戦で起用されているが、打撃に関してはまだ確実性に課題が残る印象だ。ただそれでも強肩と俊足を備えており、右打ちの強打者タイプというのもプロからの需要は高い。昨年は外野手が豊作だったという点も不運だっただけに、社会人で打撃を伸ばせばチャンスは十分にあるだろう。

 兄の影響もあって高い注目を集めた村上慶太(内野手・九州学院→日本大)も指名はなく、日本大へ進学することとなった。芯でとらえた時の打球の勢いは魅力だが、まだ体の割れが不十分で、対応力には課題が残る。打つ以外のプレーも特徴がないのが気になるところだが、やはりスケールの大きさは魅力で、オープン戦でも代打で早くも起用されている。チームは部員数も多く、競争も激しい環境だが、持ち味を生かして早期のレギュラー獲得を目指してもらいたい。
 
 海老根のところでも触れたが、昨年は高校生の外野手が豊作で、指名漏れとなった選手も多く、主なところでは田中多聞(呉港→JFE西日本)、黒田義信(九州国際大付→東日本国際大)などの名前が挙がる。この中では田中が早くもオープン戦で起用されて結果を残すなど、チームの期待の大きさが窺える。

 高校、大学で高い評価を得ることができなくても、その後の進路で大化けし、プロでも主力となった選手は多い。それだけにここで挙げた選手たちも、進んだ先で更にスケールアップし、2年後、3年後、4年後のドラフト戦線を賑わせてくれることを期待したい。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
 

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