専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
MLB

快進撃を続ける貧乏球団レイズを影で支えるのは野球の素人?経歴や性別に関係なく優れた人材を登用するMLBの懐の深さ<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.06.08

 冒頭で述べた通り、レイズはメジャーで最も資金力に乏しいチームの一つである。ヤンキースやメッツのように、高額な条件で有力FA選手を引っ張ってくるのは不可能。何しろ、球団史上最高額のFA契約は昨オフ獲得したザック・エフリンの3年4000万ドル。金持ち球団と比べると、まさに金銭感覚が一桁違う。

 だから、自前の選手を育成して戦力にする以外に競争力を高める方法はない。そのために必須なのがデータであり、それを有効活用できるアーリックマンのような人材なのだ。

 事実、ジェイソン・アダム、ジェフリー・スプリングス、ハロルド・ラミレスら、他球団で伸び悩んでいた選手がレイズに来た途端に飛躍する例は極めて多い。アーリックマンだけの功績ではなくとも、その躍進を支えている一人であるのは疑いない。
 レイズ以外にも、元選手ではないが専門知識を持つ人材をコーチとして採用する例は少なくない。例えばジャイアンツでは、元ソフトボール選手のアリッサ・ナッケンが、女性初のフルタイム・コーチとして所属している。ヤンキースの打撃コーチであるディロン・ローソン、投手コーチのデシー・ドルーシェルは、ともにプロ経験はないが大学のコーチなどとしての実績を評価されて招聘された。

 チームに貢献できると判断すれば、経歴や性別など関係なく、どのような人材でも迎え入れる懐の深さは、メジャーリーグをより魅力的なものにしているはずだ。
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号