■初のノーヒットノーランは準完全(2022年6月18日)
「いつかは達成したい」と思い描いていた偉業は、1四球を与えただけの28打者で試合を終わらせる準完全試合で成し遂げられた。敵地ベルーナドームは19年にプロ初完投初完封を飾った場所だったが、この日の試合前はブルペンでの制球がいまひとつ。それでも、5回2死までは西武打線をパーフェクトに封じる。続く外崎修汰にストレートの四球を与え、二盗も許したが、動じることなく後続を断ち、スコアボードに「0」を並べ続ける。
迎えた9回2死、川越誠司をファーストゴロを打ち取り、一塁手からボールを受け取って自ら一塁ベースを踏んでゲームセット。102球で打ち立てた史上86人目にして通算97度目の快挙でチームの連敗を6で止めた山本は「9回まで集中してドキドキしながら投げたので喜びがすごく大きい」と晴れやかな表情で語った。
■自身2度目の偉業は史上100度目(2023年9月9日)
2年連続のノーヒットノーラン達成は実に82年ぶりで、歴代3人目の大記録。オリックスがリーグ3連覇へマジック14とし、迎えた2位ロッテとの敵地直接対決で、山本は相手打線を完全に沈黙させる。6回に四球、9回に死球で走者を出したものの、まったく危なげない投球。最後の打者をセカンドゴロに打ちとると、マウンド付近に歓喜の輪ができた。投球数は1年前にノーヒッターを達成した時と同じ102球。2年連続の偉業に、本人の表情にもどこか余裕が見えた。 ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMをはじめ、20人以上のメジャー関係者がバックネット裏席に陣取る中でのノーノーはちょうどプロ野球史上100番目。球史に名を刻む投球で、その実力を十分に示した。
■14奪三振で日本シリーズ最多記録樹立(2023年11月4日)
相手に傾いていた流れを呼び戻し、独力でチームの勝利を手繰り寄せるスーパーエースの真骨頂を見せつけた。自身の自己ワーストタイ7失点での敗戦という衝撃で幕を開けた2023年日本シリーズは一進一退の攻防を経て、第5戦に勝利した阪神が先に王手をかける展開に。
負ければ敗退の第6戦、山本は2回にノイジーに先制ソロアーチを許すが、味方が直後の攻撃で2点を奪い返して逆転。山本はピンチを招きながらホーム生還は許さず、9回まで138球を投げ抜いた。積み上げた14奪三振はシリーズ新記録で、21年第6戦に続く2度目の2ケタ奪三振は史上4人目。結果的にチームは2年連続の日本一を逃すが、日本シリーズ通算3先発目で初白星を挙げ、日本でのラスト登板を飾った。
文●藤原彬
著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。
【関連記事】「通訳どうするのかな?」山本由伸のドジャース入り報道に疑問の声沸く! 大谷翔平の“相棒”水原一平も「二刀流」になるのか?
「いつかは達成したい」と思い描いていた偉業は、1四球を与えただけの28打者で試合を終わらせる準完全試合で成し遂げられた。敵地ベルーナドームは19年にプロ初完投初完封を飾った場所だったが、この日の試合前はブルペンでの制球がいまひとつ。それでも、5回2死までは西武打線をパーフェクトに封じる。続く外崎修汰にストレートの四球を与え、二盗も許したが、動じることなく後続を断ち、スコアボードに「0」を並べ続ける。
迎えた9回2死、川越誠司をファーストゴロを打ち取り、一塁手からボールを受け取って自ら一塁ベースを踏んでゲームセット。102球で打ち立てた史上86人目にして通算97度目の快挙でチームの連敗を6で止めた山本は「9回まで集中してドキドキしながら投げたので喜びがすごく大きい」と晴れやかな表情で語った。
■自身2度目の偉業は史上100度目(2023年9月9日)
2年連続のノーヒットノーラン達成は実に82年ぶりで、歴代3人目の大記録。オリックスがリーグ3連覇へマジック14とし、迎えた2位ロッテとの敵地直接対決で、山本は相手打線を完全に沈黙させる。6回に四球、9回に死球で走者を出したものの、まったく危なげない投球。最後の打者をセカンドゴロに打ちとると、マウンド付近に歓喜の輪ができた。投球数は1年前にノーヒッターを達成した時と同じ102球。2年連続の偉業に、本人の表情にもどこか余裕が見えた。 ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMをはじめ、20人以上のメジャー関係者がバックネット裏席に陣取る中でのノーノーはちょうどプロ野球史上100番目。球史に名を刻む投球で、その実力を十分に示した。
■14奪三振で日本シリーズ最多記録樹立(2023年11月4日)
相手に傾いていた流れを呼び戻し、独力でチームの勝利を手繰り寄せるスーパーエースの真骨頂を見せつけた。自身の自己ワーストタイ7失点での敗戦という衝撃で幕を開けた2023年日本シリーズは一進一退の攻防を経て、第5戦に勝利した阪神が先に王手をかける展開に。
負ければ敗退の第6戦、山本は2回にノイジーに先制ソロアーチを許すが、味方が直後の攻撃で2点を奪い返して逆転。山本はピンチを招きながらホーム生還は許さず、9回まで138球を投げ抜いた。積み上げた14奪三振はシリーズ新記録で、21年第6戦に続く2度目の2ケタ奪三振は史上4人目。結果的にチームは2年連続の日本一を逃すが、日本シリーズ通算3先発目で初白星を挙げ、日本でのラスト登板を飾った。
文●藤原彬
著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。
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