今回のような一件で選手生活や経歴に傷がつくようなことは、本来はあってはならない。また一番調子がよく、注目されているときこそ要注意であることを認識しなくてはならない。大谷選手においては、ワールド・ベースボール・クラシックでの優勝から2度目のMVP受賞、超大型契約でのFA移籍、結婚発表とまさに公私とも絶好調という中で起きた通訳の違法賭博際だった。「好事魔多し」をつくづく実感させられる一件だった。
素性の知れない者がプロスポーツチームに関わることでどのような問題が起こり得るのか、基本に立ち返る必要がある。たとえ語学に優れていても、他の生活面などで荒れていることは少なくない。多額の借金を持つ者は、もともと不適格である。その適性や判断基準を明確にし、経過観察を行うことが重要だ、
また、選手の「わがまま」を認めてはいけない。チームに関わるステークホルダーを常に健全な状態に保つことが、選手を守り、チームを守り、ひいてはファンを安心させることにつながる。本来チームを支えるべき人物が、選手の足を引っ張るような形になるのは言語道断である。それを許容していた選手やチームも問題なのだ。 企業ではリスク対策にBCP(業務継続計画)を有していることが多い。プロスポーツチームでもこのBCPを活用・アップデートしながら選手やスタッフの研修に生かすべきだと思う。緊急事態が発生した際の対応から、その後の事後処理などをマニュアルとともに訓練を重ねることが重要だ。
今回の事件を教訓にしながら、プロスポーツ選手とチームがリスクに対して強くなることが望まれる。同時に、倫理面における強化とガバナンスもさらに研ぎ澄ます必要があるだろう。
文●古本尚樹
著者プロフィール
ふるもと・なおき。株式会社日本防災研究センター(2023~)。医学博士。阪神・淡路大震災記念人と防災未来センターリサーチフェロー。東京大学大学院医学系研究科外科学専攻救急医学分野医学博士課程中退。専門分野:スポーツ選手やチームの危機管理・コンプライアンス・ガバナンス、防災。
【関連記事】ブラックソックス事件からピート・ローズの永久追放、そして今回の“水原問題”――MLBと違法賭博の「切っても切れない関係」<SLUGGER>
【関連記事】「えげつない破壊力!」「マジで鬼だな」本拠地開幕戦でいきなり爆発したドジャース打線に日本騒然!「開幕戦からこれ?」
素性の知れない者がプロスポーツチームに関わることでどのような問題が起こり得るのか、基本に立ち返る必要がある。たとえ語学に優れていても、他の生活面などで荒れていることは少なくない。多額の借金を持つ者は、もともと不適格である。その適性や判断基準を明確にし、経過観察を行うことが重要だ、
また、選手の「わがまま」を認めてはいけない。チームに関わるステークホルダーを常に健全な状態に保つことが、選手を守り、チームを守り、ひいてはファンを安心させることにつながる。本来チームを支えるべき人物が、選手の足を引っ張るような形になるのは言語道断である。それを許容していた選手やチームも問題なのだ。 企業ではリスク対策にBCP(業務継続計画)を有していることが多い。プロスポーツチームでもこのBCPを活用・アップデートしながら選手やスタッフの研修に生かすべきだと思う。緊急事態が発生した際の対応から、その後の事後処理などをマニュアルとともに訓練を重ねることが重要だ。
今回の事件を教訓にしながら、プロスポーツ選手とチームがリスクに対して強くなることが望まれる。同時に、倫理面における強化とガバナンスもさらに研ぎ澄ます必要があるだろう。
文●古本尚樹
著者プロフィール
ふるもと・なおき。株式会社日本防災研究センター(2023~)。医学博士。阪神・淡路大震災記念人と防災未来センターリサーチフェロー。東京大学大学院医学系研究科外科学専攻救急医学分野医学博士課程中退。専門分野:スポーツ選手やチームの危機管理・コンプライアンス・ガバナンス、防災。
【関連記事】ブラックソックス事件からピート・ローズの永久追放、そして今回の“水原問題”――MLBと違法賭博の「切っても切れない関係」<SLUGGER>
【関連記事】「えげつない破壊力!」「マジで鬼だな」本拠地開幕戦でいきなり爆発したドジャース打線に日本騒然!「開幕戦からこれ?」
関連記事
- ブラックソックス事件からピート・ローズの永久追放、そして今回の“水原問題”――MLBと違法賭博の「切っても切れない関係」<SLUGGER>
- 水原通訳の違法賭博問題で浮上した「プロアスリートの危機管理問題」。選手の行動を監視・監督する第三者機関が必要<SLUGGER>
- 大谷翔平の”新バディ”東京生まれのアイアトン通訳を米放送局が異例の特集! 勤勉さを称えた「新しい役割を垣間見た最初の瞬間」とは?
- 「言えることはすべて話した」大谷翔平が米記者による“なぜ送金に気づかなかった?”の直撃に口を開く。「彼は冷静で落ち着いていた」
- 「信頼を得るのは二刀流より難しい」大谷翔平が貫いてきた“秘密主義”の影響を米紙が指摘!「謎めいたスーパースターだ」