延長戦での継投のやりくりというのは難しい。主催試合であれば、9回で同点の場合はクローザーから順番に登板していく。つまり、リリーフでの序列が高い順に登板していくことになる。すると11~12回は、経験値の少ない投手が受け持つ形になる。
一方、敵地だと一番良い投手を残し、勝ち越した時点でクローザーを登板させる。それ以外のイニングは相手打線の巡りを見ながら選択していくことになる。
糸川に続いてサヨナラ負けを喫したのは、開幕3カード目の日ハム戦。打たれたのは豆田で、3登板目だった。ベテランの増田は2敗しているが、最初の敗戦時は登板機会が1週間も空いている。昨日28日に負け投手になった中村も、1週間ぶりの登板だった。
先発投手陣が踏ん張りながらも勝ちきれない。さらに点差をつけられない戦いぶりが、しわよせとなって救援陣にやってくる。その結果が不名誉な記録につながっているといえよう。
28日の試合では先行される苦しい展開だったが、8回表に同点に追いついてからはどちらかというと西武の方がチャンスは多かった。しかし、アギラーや佐藤龍世で作ったチャンスが下位打線に回るなど打順の巡りが悪く、あと一本が出なかった。
最終的には3番手捕手・古市尊の捕逸で負けたが、12回裏の決着はミス云々よりも、それまでに仕留められなかったことの顛末と言えるだろう。
松井稼頭央監督は終始「こちらの責任。使っている側が悪い」と試合後の会見で述べるなど、敗戦の責任を選手に押し付けたりはしていない。打線の停滞が投手陣の負担につながっていることを十分に理解しているはずだろう。
外崎修汰や源田壮亮など、調子が上がってこない選手がいるのも事実だ。だからこそ、攻め方や打順はキーを握ってくる。少ない得点での勝利ばかり目指していてはなかなかチーム状態は安定しない。“山賊打線”は組めなくとも、一気に畳み掛ける展開を作り、ストロングポイントの投手陣を活かすことでしか状況は好転しない。いかに攻め切るかだろう。
取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)
【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園は通過点です』(新潮社)、『baseballアスリートたちの限界突破』(青志社)がある。ライターの傍ら、音声アプリ「Voicy」のパーソナリティーを務め、YouTubeチャンネルも開設している。
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一方、敵地だと一番良い投手を残し、勝ち越した時点でクローザーを登板させる。それ以外のイニングは相手打線の巡りを見ながら選択していくことになる。
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先発投手陣が踏ん張りながらも勝ちきれない。さらに点差をつけられない戦いぶりが、しわよせとなって救援陣にやってくる。その結果が不名誉な記録につながっているといえよう。
28日の試合では先行される苦しい展開だったが、8回表に同点に追いついてからはどちらかというと西武の方がチャンスは多かった。しかし、アギラーや佐藤龍世で作ったチャンスが下位打線に回るなど打順の巡りが悪く、あと一本が出なかった。
最終的には3番手捕手・古市尊の捕逸で負けたが、12回裏の決着はミス云々よりも、それまでに仕留められなかったことの顛末と言えるだろう。
松井稼頭央監督は終始「こちらの責任。使っている側が悪い」と試合後の会見で述べるなど、敗戦の責任を選手に押し付けたりはしていない。打線の停滞が投手陣の負担につながっていることを十分に理解しているはずだろう。
外崎修汰や源田壮亮など、調子が上がってこない選手がいるのも事実だ。だからこそ、攻め方や打順はキーを握ってくる。少ない得点での勝利ばかり目指していてはなかなかチーム状態は安定しない。“山賊打線”は組めなくとも、一気に畳み掛ける展開を作り、ストロングポイントの投手陣を活かすことでしか状況は好転しない。いかに攻め切るかだろう。
取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)
【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園は通過点です』(新潮社)、『baseballアスリートたちの限界突破』(青志社)がある。ライターの傍ら、音声アプリ「Voicy」のパーソナリティーを務め、YouTubeチャンネルも開設している。
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