応援の凄まじさは指揮官も苦労したようで、試合後の会見では「台湾の応援がものすごかったので、なかなか思うように試合運びができなかった。選手がよく頑張ってくれました」と、異様な雰囲気のなかで奮闘した選手たちを労った。普段は甲子園で阪神ファンの大声援を受ける才木も「台湾の応援がすごくて、最後は少し力んでしまいました」と振り返るほど、若い選手たちにとっては経験したことのない完全アウェーの洗礼だった。
台湾の敗北が決まった瞬間、スタジアムからは「あ~...」と落胆の声が漏れたが、すぐに両軍へ温かい労いの拍手が起こり、台湾の選手たちがマウンド付近で帽子をとり深々と頭を下げてスタンドに挨拶すると割れんばかりの大歓声が再び起き、万雷の拍手がいつまでも選手たちを優しく包み込んだ。
翌日の現地メディアを見ると、やはり日本と台湾戦に大きく紙面を割いていた。台湾の大衆紙『自由時報』のスポーツ面は「日本が国際大会の連勝記録を22に伸ばす。台湾は予選ラウンドで初黒星を喫した」という見出しを打ち、1ページ分まるまる激闘の日本戦を特集。6回まで3点のビハインドを許す苦しい戦いだったと振り返っており、「ダイ・ペイフォンが衝撃を与えた!台湾チームは日本から1点を取り戻すべく奮闘した」と、7回の反撃の場面を紹介。日本相手にわずか3失点は「健闘した」とも評している。
手に汗握る接戦で惜しくも敗れた台湾だが、ファンやメディアは強敵相手に善戦した事実を好意的に受け止め、大きな自信につなげている。その一方で新生・侍ジャパンも台湾野球のレベルの高さ、そして地元ファンの熱量から大きな経験を得たはず。若侍たちが、また一段と大きく成長できる貴重な試合になったのかもしれない。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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翌日の現地メディアを見ると、やはり日本と台湾戦に大きく紙面を割いていた。台湾の大衆紙『自由時報』のスポーツ面は「日本が国際大会の連勝記録を22に伸ばす。台湾は予選ラウンドで初黒星を喫した」という見出しを打ち、1ページ分まるまる激闘の日本戦を特集。6回まで3点のビハインドを許す苦しい戦いだったと振り返っており、「ダイ・ペイフォンが衝撃を与えた!台湾チームは日本から1点を取り戻すべく奮闘した」と、7回の反撃の場面を紹介。日本相手にわずか3失点は「健闘した」とも評している。
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取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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