オフにFAとなってレッドソックスへ去ったビューラー。だが、短縮シーズンを除けば実に36年ぶりとなる歓喜の瞬間をもたらした雄姿は、ドジャースファンの脳裏に永遠に刻まれるだろう。
■2位:ヤンキースに信じられないミスが相次いだ“魔の5回”
0勝3敗で迎えた第4戦で11得点と打線が爆発し、ようやくシリーズ初勝利を挙げたヤンキースは、第5戦でも序盤から優位に立つ。
初回に不振を囲っていた主砲アーロン・ジャッジが先制2ランを放つなど、3回までに5得点。サイ・ヤング賞受賞経験もあるエースのゲリット・コールも危なげないピッチングを続けていた。
ところが5回、先頭に初安打を許すと、続く平凡なセンターフライをジャッジが落球。直後に遊撃手のアンソニー・ボルピーも失策を喫し、無死満塁のピンチを招いた。そこからコールは2者連続奪三振と踏ん張り、続くムーキー・ベッツも平凡な一塁ゴロに打ち取った......と思われたのだが、一塁へのベースカバーを怠ってしまい、三塁走者が生還。さらに連続タイムリーを浴び、一気に5対5の同点に追いつかれてしまったのだ。
その後、一度は勝ち越したヤンキースだったが、8回に2点を奪われて逆転を許すとそのままドジャースが逃げ切り、4勝1敗でシリーズを制した。
ヤンキースにとっては、球団史に残る“黒歴史”。一塁ゴロを処理したアンソニー・リゾーは現在無所属、コールは開幕前にトミー・ジョン手術を受け、リベンジの機会は来季以降にお預けとなった。 ■1位:シリーズ史上初の逆転サヨナラ満塁弾から伝説へ
フレディ・フリーマン(ドジャース)が初球を振り抜いた打球は、あっという間にドジャースファンの待つライトスタンドへ着弾した。
43年ぶりの東西名門による頂上決戦の初戦は、9回を終えて2-2で延長戦に突入し、まずは10回の守りでドジャースが1点を失う。だが、その直後の攻撃で2死満塁とすると、フリーマンが代わったばかりのネスター・コルテスからワールドシリーズ史上初のサヨナラグランドスラムを見舞った。
奇しくもこのホームランは、36年前のワールドシリーズ第1戦でカーク・ギブソンが放った劇的サヨナラ弾と時間にして1分差で飛び出し、ドジャースにとっては縁起のいい一撃としても紹介された。
そして、フリーマンはこの劇的アーチを皮切りに第4戦まで毎試合本塁打を放ち、ブレーブス時代の2021年第5~6戦とあわせて6試合連続弾の史上最長記録を樹立。12打点もシリーズ最多タイ記録でシリーズMVPを受賞し、レジー・ジャクソンやデレク・ジーター、デビッド・オティーズらと同じ史上屈指のクラッチ・プレーヤーとしての地位を不動のものとした。
今季も打率やOPSでリーグトップに立つなど打撃絶好調のフリーマン。ヤンキースにとっては、大谷よりも恐れるべき存在かもしれない。
文●藤原彬
著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。X(旧ツイッター)IDは@Struggler_AKIRA。
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■2位:ヤンキースに信じられないミスが相次いだ“魔の5回”
0勝3敗で迎えた第4戦で11得点と打線が爆発し、ようやくシリーズ初勝利を挙げたヤンキースは、第5戦でも序盤から優位に立つ。
初回に不振を囲っていた主砲アーロン・ジャッジが先制2ランを放つなど、3回までに5得点。サイ・ヤング賞受賞経験もあるエースのゲリット・コールも危なげないピッチングを続けていた。
ところが5回、先頭に初安打を許すと、続く平凡なセンターフライをジャッジが落球。直後に遊撃手のアンソニー・ボルピーも失策を喫し、無死満塁のピンチを招いた。そこからコールは2者連続奪三振と踏ん張り、続くムーキー・ベッツも平凡な一塁ゴロに打ち取った......と思われたのだが、一塁へのベースカバーを怠ってしまい、三塁走者が生還。さらに連続タイムリーを浴び、一気に5対5の同点に追いつかれてしまったのだ。
その後、一度は勝ち越したヤンキースだったが、8回に2点を奪われて逆転を許すとそのままドジャースが逃げ切り、4勝1敗でシリーズを制した。
ヤンキースにとっては、球団史に残る“黒歴史”。一塁ゴロを処理したアンソニー・リゾーは現在無所属、コールは開幕前にトミー・ジョン手術を受け、リベンジの機会は来季以降にお預けとなった。 ■1位:シリーズ史上初の逆転サヨナラ満塁弾から伝説へ
フレディ・フリーマン(ドジャース)が初球を振り抜いた打球は、あっという間にドジャースファンの待つライトスタンドへ着弾した。
43年ぶりの東西名門による頂上決戦の初戦は、9回を終えて2-2で延長戦に突入し、まずは10回の守りでドジャースが1点を失う。だが、その直後の攻撃で2死満塁とすると、フリーマンが代わったばかりのネスター・コルテスからワールドシリーズ史上初のサヨナラグランドスラムを見舞った。
奇しくもこのホームランは、36年前のワールドシリーズ第1戦でカーク・ギブソンが放った劇的サヨナラ弾と時間にして1分差で飛び出し、ドジャースにとっては縁起のいい一撃としても紹介された。
そして、フリーマンはこの劇的アーチを皮切りに第4戦まで毎試合本塁打を放ち、ブレーブス時代の2021年第5~6戦とあわせて6試合連続弾の史上最長記録を樹立。12打点もシリーズ最多タイ記録でシリーズMVPを受賞し、レジー・ジャクソンやデレク・ジーター、デビッド・オティーズらと同じ史上屈指のクラッチ・プレーヤーとしての地位を不動のものとした。
今季も打率やOPSでリーグトップに立つなど打撃絶好調のフリーマン。ヤンキースにとっては、大谷よりも恐れるべき存在かもしれない。
文●藤原彬
著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。X(旧ツイッター)IDは@Struggler_AKIRA。
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