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「エゴもプライドも捨て去らないと」ブルズ3連覇戦士がジョーダン&ピッペンの和解に期待「仲直りしてほしい」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2025.09.09

グラント(右)はピッペン(左)とジョーダンの一刻も早い和解を望んでいる。(C)Getty Images

 スコッティ・ピッペンは言わずと知れたNBA史に名を残すレジェンドだが、近年は現役時代にシカゴ・ブルズでタッグを組んだマイケル・ジョーダンとの確執と"口撃"で注目を集めている。

 ピッペンとジョーダンはブルズが1991~93年、96~98年に2度の3連覇を果たした際、阿吽の呼吸でチームを牽引し、"史上最高のデュオ"とも呼ばれた。歴代屈指のオールラウンダーとして、スコアラーのジョーダンを支えるなど、当時は良好な関係を築いていたが、現役を引退して20年近くが経過した2020年以降に確執が表面化していった。

 20年に公開されたブルズ黄金期の舞台裏を追ったドキュメンタリー『ザ・ラストダンス』で、ジョーダンが必要以上に好意的に描かれていたことにピッペンは不快感を示した。

 そして、翌21年に発売された自伝『Unguarded』で「ジョーダンは自分を美化する一方で、私をはじめとしたチームメイトには十分な称賛を与えなかった」と名指しでかつての相棒を批判した。

 さらに、23年5月にはブルズ時代の同僚ステイシー・キングがホストを務める番組『Gimme The Hot Sauce』に出演した際、「ブルズでプレーする前、ジョーダンのプレーを見ていた。彼はひどい選手で、一緒にプレーするのが恐ろしかった。すべて1対1で、ショットセレクションも悪かった」と、ジョーダンを"ワンマンプレーヤー"呼ばわりして火に油を注いだ。

 犬猿の仲となってしまったピッペンとジョーダン。1987~94年にブルズでプレーし、前期3連覇に貢献したホーレス・グラントはキングの番組『Gimme The Hot Sauce』に出演すると、『ザ・ラストダンス』の描写について厳しく言及した。
 
「まるでスライスみたいに切り刻まれていたんだ。正直言って、信じられなかった。(ジョーダン以外の)自分たち大多数が無能に見えるなんて信じられなかった。スコッティは歴代トップ75の選手の1人だったのに、あのドキュメンタリーにおいては不当な描写だったと思う」

 グラントは94年9月にオーランド・マジックへ移籍し、シャキール・オニール、アンファニー・ハーダウェイの若手デュオと共闘した。その後、シアトル・スーパーソニックス(現オクラホマシティ・サンダー)やロサンゼルス・レイカーズでもプレーしたが、ジョーダンとピッペンは「私がこれまでプレーした中で最高のリーダー2人」だと称賛する。

 また、ピッペンに関しては「ピップ(ピッペン)はブルズの成功のために、健康を犠牲にしていた。決してセルフィッシュではなかったし、総合的にアンフェアな評価だ」と擁護している。

 グラントは2人の和解の可能性について、「エゴもプライドも捨て去らないといけない。それができればコミュニケーションへの扉は開けるだろう」とコメント。

「ピップとはよく話すんだ。彼も私たちはもう若くないってことをようやく理解し始めたんだ。私は60歳だし、彼も9月25日に60歳になる。だから、彼ら2人には仲直りしてほしい。幸運を祈っているよ」と、かつてのような良好な関係に戻ることを期待していた。

構成●ダンクシュート編集部

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