５度のNBA制覇を誇る名門が、復権への道を力強く歩んでいる。

　現地時間10月30日、サンアントニオ・スパーズはホームでマイアミ・ヒートと対戦。終盤のクロスゲームを107－101で制し、球団史上初の開幕５連勝を飾った。

　2000年代には黄金期を築き、18年連続50勝以上をマークするなど常勝軍団として知られるスパーズだが、意外にも開幕からの連勝はこれまで４が最長だった。NBAに加盟して節目の50シーズン目の今季、この上ないスタートを切ったと言えるだろう。

　開幕から３勝１敗と好調のヒートを迎えたこの日の試合は、今季のチームの強さを象徴する一戦となった。

　前半は互いに主導権を取り合うシーソーゲームで、第２クォーターを終えて59－58とわずかに１点のリード。それでも第３クォーター残り３分から13－０のランを仕掛け、一気に15点差をつけた。

　第４クォーターは一転、ヒートの猛攻に遭い、残り６分44秒に逆転を許したものの、デビン・ヴァッセル、ヴィクター・ウェンバンヤマの連続３ポイントでリードを奪い返す。終盤はウェンバンヤマが再三のブロックでゴールを死守し、球団の歴史に新たなページを加えた。
  　今季最長の39分41秒プレーし、27得点、18リバウンド、６アシスト、５ブロック（すべて後半に記録）の活躍を見せたウェンバンヤマは試合後、「最高の気分だ」と勝利の余韻に浸りつつ、今季のチームへの手応えを語った。

「この５連勝は偶然手にしたものじゃない。僕たちの努力の成果だ。今シーズンは良いスタートを切れた。できる限りこの連勝をキープしたいね」

　ウェンバンヤマ以外にも、昨季新人王のステフォン・キャッスルが21得点、８アシスト、４スティール、ヴァッセルが17得点、９リバウンド、今年のドラフト２位ルーキーのディラン・ハーパーが13得点、４アシストと若手が躍動。守備でも今季リーグ最多の平均131.5点を叩き出していたヒートを、シーズン最少得点に封じ込めた。

　25歳ながらチーム２番目の古株（６年目）のヴァッセルは「もう負け続けるのに疲れた。長い間ここにいて、まさに旅だった」と語ったが、雌伏の時は終わり、今季が新たな黄金期の幕開けとなるかもしれない。

構成●ダンクシュート編集部

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