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NBA

キャリアの分岐点――3年目で覚醒したウェンバンヤマ「この夏、僕ほどトレーニングしていた選手はいない」<DUNKSHOOT>

出野哲也

2025.11.17

ウェンバンヤマは3年目の今季、MVPレベルの好パフォーマンスを披露している。(C)Getty Images

ウェンバンヤマは3年目の今季、MVPレベルの好パフォーマンスを披露している。(C)Getty Images

 NBAでは“プロ3年目がキャリアの分岐点”とされる。ここまでに飛躍できればスターへの道が開け、平凡なままならフェードアウトしていく――そんなジンクスだ。

 マイケル・ジョーダンが初の得点王に輝いたのも3年目で、シャキール・オニールも同様。コビー・ブライアントも3年目で先発に定着した。

 その3年目に、サンアントニオ・スパーズのヴィクター・ウェンバンヤマは最高のスタートを切った。10月22日の開幕戦、ダラス・マーベリックス相手にいきなり40得点、15リバウンド。自身3度目の40-15で開幕すると、続くニューオリンズ・ペリカンズ戦では9ブロックを決め、5試合目までは平均30.2点、14.6リバウンド、4.8ブロックを記録していた。

 11月2日のフェニックス・サンズ戦で相手の徹底的なマークを受け9得点、9リバウンドに抑え込まれ、続くロサンゼルス・レイカーズ戦も八村塁相手に苦戦してファウルアウトを喫したが、すぐに調子を取り戻す。8日のペリカンズ戦は18得点、18リバウンド、10日のシカゴ・ブルズ戦も38得点に加え12リバウンドを奪った。

 ディフェンスでも12試合を終えた時点で平均3.58ブロックはリーグ1位。ペイント内で許した得点は100ポゼッションあたり32.5点しかなく、10試合以上出ている中では最も低い。レイカーズのJJ・レディックHC(ヘッドコーチ)は「彼がカバーできる範囲はとんでもなく広く、同時にふたつの場所にいるようにすら思える」と評している。
 
 ルカ・ドンチッチ(レイカーズ)の「3年目でMVPレベルのプレーをしているなんてとんでもないことだ。彼を相手にガードするのも、攻撃するのも、とても難しい」との感想には、リーグの全選手が同意だろう。

 ウェンバンヤマに牽引され、スパーズも8勝4敗でウエスタン・カンファレンス6位。2018-19シーズン以来7年ぶりの勝率5割、プレーオフに進むだけでなく上位シードも狙える位置につけている。

 アマチュア時代から10年に1人の大器と目されたウェンバンヤマは、23年にドラフト全体1位指名され、鳴り物入りでスパーズに加入。評判通り1年目は新人王を受賞、2年目の昨季も右肩に血栓が発生して最終30試合を欠場したが、このアクシデントがなければ最優秀守備選手賞候補の最右翼に位置していた。
 
 幸い血栓症の影響は最小限にとどまり、オフシーズンはコスタリカや東京でサッカーに興じ、母国フランスではチェスの大会を主催するなど大忙し。中国では鄭州の少林寺で10日間にわたって精神修養を積み、丸刈りで拳法の形を取っている映像は、まるで映画『死亡遊戯』のカリーム・アブドゥル・ジャバーのようだった。
 
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