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NBA

ダンカンからウェンバンヤマへ――スパーズに息づく勝者の伝統。敗れた第3戦後には名将ポポビッチがチームを激励<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2026.05.28

ウェンバンヤマはルーキーイヤーと昨季の開幕直後まで、ポポビッチ(右)の下でプレー。勝者の伝統を引き継いだ。(C)Getty Images

ウェンバンヤマはルーキーイヤーと昨季の開幕直後まで、ポポビッチ(右)の下でプレー。勝者の伝統を引き継いだ。(C)Getty Images

 一進一退の攻防戦が続くオクラホマシティ・サンダー対サンアントニオ・スパーズのウエスタン・カンファレンス・ファイナルは、サンダーがホームコートで第5戦を制し、3勝2敗と王手をかけた。

 とはいえスパーズも簡単に引き下がる相手ではない。規格外の若き大黒柱、ヴィクター・ウェンバンヤマの闘魂を見るにつけても、最終戦までもつれ込む予感を与えてくれる。

 そのウェンバンヤマは、33得点の活躍で2勝2敗のイーブンに持ち込んだ第4戦の試合後に「休暇まであと6勝する必要がある」と、頂点に立つまでの勝ち星を数えていた。

 あと2勝でカンファレンス優勝、さらに4勝でNBAファイナルを制する算段だ。彼の休暇は、それまで訪れることはないという、願をかけたカウントダウンでもある。

 そしてこの“勝利数カウントダウン”は、スパーズのプレーオフでの伝統であると、2014年の優勝メンバーが明かした。
 
 現在フランス代表のチームマネージャーを務めるボリス・ディーオウは、2012年の3月から15-16シーズンまでの4シーズン半、僚友のトニー・パーカーとともに、グレッグ・ポポビッチHC(ヘッドコーチ)の下、スパーズでプレーした。

 仏メディア『レキップ』に掲載されたインタビューの中で、14年間のNBAキャリアを誇る万能フォワードは、ティム・ダンカンが主導していた当時のカウントダウンの様子を振り返っている。

「ダンカンは、プレーオフが始まった瞬間からそれを始めていた。つまり、頂点に立つまでに必要な勝利数を掲げるんだ。1回戦の時点では『16』、『15』...というようにね。その数字がロッカールームの壁に掲げられていたよ」

 スパーズ一筋のレジェンドであるダンカンは、1999年、2003年、05年、07年、そして14年の5回、このフランチャイズをNBA王者に導いた。

「これは深く刻み込まれた伝統でもある。試合に勝つたびに、彼は数字を更新していった。そして残りが『1』になると、いよいよプレッシャーを感じる。私もそれを2年連続で経験した。2013年は最後の数字を外すことができなかった。でも2014年は外せたんだ」
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