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「究極のチェス対決だった」NBA随一の頭脳派シェーン・バティエがコビー・ブライアントに講じた“特殊なディフェンス法”を解説

秋山裕之

2020.05.16

バティエはコビーがシュートを放つ際、顔の目の前まで手を伸ばすディフェンスで対抗した。(C)Getty Images

 5月15日(日本時間16日)に公開されたポッドキャスト『Brodie & The Beard』に、NBAキャリア13年を誇るシェーン・バティエ(元メンフィス・グリズリーズほか)がゲストとして出演した。

 名門デューク大で4年間プレーし、4年時にはNCAAチャンピオンにも輝いたバティエは、2001年のドラフト1巡目全体6位でグリズリーズから指名されたフォワード。グリズリーズ、ヒューストン・ロケッツ、マイアミ・ヒートでプレーし、レブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)らとともにヒートで2連覇(2012、13年)を経験し、2014年にNBAから退いた。

 身体能力が高かったわけではないものの、バティエには頑強な肉体とメンタルタフネス、そしてバスケットボールIQの高さが備わっていた。相手の得意なプレーをさせない頭脳的なディフェンスには定評があり、オールディフェンシブチームに2度(2008、09年)選ばれた実績を持つ。
 
 自らを"グルーガイ"(接着剤のように他の選手同士をつなげる仕事をこなす選手)と称し、チームにとって不可欠な選手であったバティエは、ポッドキャスト内で同時代に活躍したコビー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)に対するディフェンスについて言及した。

 今年1月末にヘリコプター墜落事故によって他界したコビーは、5度の優勝経験を誇るスーパースター。得点王には2度輝いており、2006年にはNBA歴代2位となる1試合81得点というとてつもない記録を残してきた。

 バティエがコビーをディフェンスする際に印象的だったのは、ショットを放たれる時にぎりぎりまで手を相手の顔に近づけ、視界を遮るようにしていたことだろう。コビーへ仕向けたディフェンスについて、バティエはこう振り返る。

「あの男にへばりついていくチャンスがあるとしたら、私は自分にとってベストなゲームをしなければならないと思っていた。メンタル面でも激しく立ち向かわないといけなかった。どんなミスであろうと、やってはいけないという気持ちだった。まぁそれでも、痛い目に合わされたけどね(笑)」
 
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